Sho.S* 愛は終わらない 2 (ページ7)

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「ここで、大丈夫？」

「・・・はい、」

「近くの駅まで、一緒に乗ろうか？」

「ううん、一人で、帰れます、」

.

首を横に振って、大丈夫だと伝えるけど、

つないだ手を、離せないでいた。

.

「・・・なんかあった？」

「ううん、なにも。」

「・・・そう、」

.

そっと、つないだ手を放す。

後は、私が背を向けて改札に向かって歩き出せば

終わりなのだけれど、

よっぽど、私は二宮さんの言葉に、傷ついていたみたいで。

.

好きなのだと、私は、この人のことが

大好きで、大切なのだ、と

誰でもいいから、伝えたかった。

.

けれど、その術を私は知らない。

二宮さんの言うことは正論で、

正論だからこそ、それに反論する言葉が見つからなかった。

.

私は、あまりにも

目の前のこの大人の彼には、不釣り合いだ。

.

「おやすみなさい、」

.

ぺこん、と頭を下げて

そのまま彼に背を向ける。

.

Aちゃん！

と、櫻井さんが、私を呼ぶ声が

ハッキリと聞こえたけれど。

.

人混みの中の騒音に紛れて

聞こえない振りをした。

.

振り返ったら、泣いていることがばれてしまうから。

彼を困らせるのは、嫌だった。

そんなことで泣いて、と

そんなところが子供だ、と

そう、思われるのはもっと嫌だった。

.

だけど、あふれた涙は

＿止まらなかった。