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仁はとっても真面目な顔をして、
真っ白なルーズリーフの束をくれた。
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「誕生日おめでと」
「・・・ふざけてる？」
「ように見える？」
「いや、見えるよ？」
「お前眼科行った方がいんじゃね？」
「その前に仁は頭のレントゲン撮って貰った方がいいね、」
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そんなことを言い合って、
私の誕生日は、あっけなく過ぎ去った。
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私と出会わなければ、
仁にとってこの日は、
なんでもない、ただ普通の日。
いつも通りに過ごして、
いつものように過ぎていった1日にしか過ぎない。
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私が生まれたことによって、
私にとってこの日は、
一生私の傍に付いて回る1日になった。
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受け取ったルーズリーフの束を眺めて、
でも大事だよね消耗品、
というと
仁は一瞬きょとん、目を見開いて、
そのあとすぐに噴出した。
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「お前のそういうところ好きだよ(笑)」
「貰って困るものではないことに気づいた、」
「さすが(笑)」
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会計は、
いつも半分ずつ払うのに、
今日は誕生日だから、と言って
仁が全部払ってくれた。
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「誕生日も悪くないかも、」
「まじお前ゲンキンなやつな、」
「なんとでも言え、」
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本当は、
プレゼントなんてどうでもよくて。
ご飯をご馳走してくれたことだって、
大して重要なことではなくて。
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私が、
一人でいたくない日に、
一人でいたくない理由を知っているのに
それを言わずに、知らないふりをして
そっと、隣にいてくれたことが嬉しい。
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一人でいたくない日が終わるまで、
こうして2人で笑いあって、
知らない間に、
その日が過ぎていたことが、
一番、嬉しい。
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