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奥までしっかり飲み込んでしまった俺の孔を嘲笑い、薮先輩は腰を振った。
俺は、あえぐだけの人形みたいに、ひたすら揺すられるだけ。
「ぁ、あっ、....ふ、....」
「イキっぱなしじゃん、気持ちいいんだな」
「ゃ、....ぁ、あぁっ....ぁ、ぁ、」
体が怠くて仕方ないのに、そこに押し寄せる快感と変わってしまったもの。
びく、びく、と何度も全身を震わせ、薮先輩から注がれるものを黙って受け入れるしかなかった。
ゆすられながら、ふと考えたことがあった。
ひかるは、どんな目に遭ったんだろう、って。
こんなの、序の口なのかもしれない。
もっと酷いことをされているのかもしれない。
この人達ならやりかねないこと、十分分かってる。
じわ....と滲み出す涙。
どうして、気づけなかったんだろう。
絶対気づけるチャンスはあったのに。
ひかるは俺にSOSを出していたかもしれないのに。
「ひ、く、....ぅ、ぁ、、ぁぁ、....」
「また泣くのかよ、そんなに嫌?」
眉を八の字にして、ため息をつく。
腰の動きが止まったかと思えば、ベッドに沈んでいた体を起こされ向かい合わせにされた。
図らずも下から突かれたせいで声が出てしまう。
「高木じゃなかったから?俺だから?それともひかる?」
「っ、....ひかる、....、」
「なに、お前ひかるのことが今度は好きなの?」
「ひか、....ごめん、なさい、」
先輩の声がはっきりと聞こえず、ぼやぼやと膜を張ってしまう。
頭がクラクラしてきて、俺はただ
"ごめんなさい"
それしか言えなかった。
ごめん、ひかる
気づけなくてごめん、
辛い思いしてるのに、隣でバカ騒ぎしてごめん、
全部、....ごめん、
落ちていく瞼。
一気に体が重くなり、薮先輩の肩に頭を預ける。
これから、何が待っているんだろう。
そんなことを考えても、今頭に浮かんでくるのは
ひかるだけだった。
fin.
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mapii(プロフ) - ななこさん» ななこさんありがとうございます♪感情移入してもらえるお話がかけて満足です(*^^*)とても切ないお話になってしまいました...。続篇ありますので、よければ覗いて見てくださいね (2018年6月17日 22時) (レス) id: bd8e1618ab (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - カクシゴト、カクサレゴト切なすぎます〜〜(;_;)特に光さんが……いのちゃん守りたかっただけのに…何でこうなってしまったんだ…ていう気持ちになりました。光さんに感情移入してしまいました。 (2018年6月13日 17時) (レス) id: 3aa19a7d29 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - いつの間にかファンになっていました、いつも楽しく読ませていただいてます!更新されたせかいでいちばんなのですが、誰の曲を元に作った話なのですか?とてもキュンとしました!これからも楽しませてください! (2018年5月6日 0時) (レス) id: f1b28b9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
mapii(プロフ) - 白米プリンスさん» 白米プリンスさん、いつもありがとうございます(´▽`*)素敵ですよね、感謝です...。一度駆け落ちって使ってみたくて、こうなりました(´>∀<`)ゝこれからもよろしくお願いします^^* (2018年4月7日 11時) (レス) id: bd8e1618ab (このIDを非表示/違反報告)
白米プリンス(プロフ) - 待ってました(^^)mapii様の短編集…!タイトルもとても素敵ですね(*^^*)駆け落ち…良い響きです笑全てを失ってでも雄也君が欲しい慧ちゃんが好きです…! (2018年4月6日 15時) (レス) id: 8c7dfe77a3 (このIDを非表示/違反報告)
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