検索窓
今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:143,572 hit

ページ11

.






バラエティでは明るくて、ぼけたり、つっこんだり、楽しそうに笑ってる光くんも、


ふ、と素に戻るとほんとに大人しくなる。


今だって、そう。





「....なに?」


「え、ううんっ、....何でもない」


「そ?」



2ヶ月後に舞台を控えた俺らは、2人での雑誌の取材が増えた。

今日も取材があって、いまは楽屋にいるんだけど、光くんは台本を片手にソファに寝転んでいる。


思わずそれをじーっと見つめていると、気づかれてしまったわけだ。



慌てて目を逸らしてそう言うけど、光くんも追求をする人じゃないから再び楽屋には沈黙。

別に、長年一緒にいるからこの沈黙がダメとかそういうものは無い。むしろ日常だ、これが。
光くんは昔から口数がそんなに多い人じゃないから。



時間まであと30分ほど。
俺も光くんを見習って台本読み込みますか、とカバンから台本を取り出そうとした時だった。




「たかきはさ、」


「はいっ」


突然、光くんに話しかけられた。
目を向けると、光くんの目線は台本のまま。


「いのちゃんのこと、正直苦手だった?」


「え?....なんで?」


「いや、昔そんなこと言ってたよーな気がしたなって。」


「あぁー、」



まぁたしかに。
昔伊野尾くんとはほとんど喋らずにやってきて、勝手に苦手意識を持っていた時期があった。

今はそんなこと全然ないし、むしろめちゃくちゃ仲がいいんだけども。


「むかしはね」


「....そっか」


「どうしたの?」



口数が少ない、


表情の変化があまり無い、


もう、慣れてる。



慣れてるから、気にすることないのに。

なんだか、この沈黙だけは気になってしまって。



「うお、なんだよ」


「光くん、何か言いたいことあるの?」


光くんが寝転んでいるソファに腰をかけた。

少しびっくりした顔をする光くんは、すぐに目を伏せてしまった。





.

・→←▽サイレントアンサー >>> tkhk



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (381 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
913人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

mapii(プロフ) - ななこさん» ななこさんありがとうございます♪感情移入してもらえるお話がかけて満足です(*^^*)とても切ないお話になってしまいました...。続篇ありますので、よければ覗いて見てくださいね (2018年6月17日 22時) (レス) id: bd8e1618ab (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - カクシゴト、カクサレゴト切なすぎます〜〜(;_;)特に光さんが……いのちゃん守りたかっただけのに…何でこうなってしまったんだ…ていう気持ちになりました。光さんに感情移入してしまいました。 (2018年6月13日 17時) (レス) id: 3aa19a7d29 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつの間にかファンになっていました、いつも楽しく読ませていただいてます!更新されたせかいでいちばんなのですが、誰の曲を元に作った話なのですか?とてもキュンとしました!これからも楽しませてください! (2018年5月6日 0時) (レス) id: f1b28b9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
mapii(プロフ) - 白米プリンスさん» 白米プリンスさん、いつもありがとうございます(´▽`*)素敵ですよね、感謝です...。一度駆け落ちって使ってみたくて、こうなりました(´>∀<`)ゝこれからもよろしくお願いします^^* (2018年4月7日 11時) (レス) id: bd8e1618ab (このIDを非表示/違反報告)
白米プリンス(プロフ) - 待ってました(^^)mapii様の短編集…!タイトルもとても素敵ですね(*^^*)駆け落ち…良い響きです笑全てを失ってでも雄也君が欲しい慧ちゃんが好きです…! (2018年4月6日 15時) (レス) id: 8c7dfe77a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mapii | 作者ホームページ:___  
作成日時:2018年4月2日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。