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カドリと交代してから数日が経った。
基礎的なステップは覚えてもらったけれど、そのステップのみ。
音楽もないので、余計に単調になってしまって動いた気がしない。
……カドリは楽しそうだけど
今日は刺繍でもしてようかしら、と準備をしていたら何やら外が騒がしくなる。
まるで急にパーティーが決まった時のような...
「A様！
ドレスはお持ちですか！？」
「……許可も無しに入ったら怒られるわよ」
「す、すみません！！」
そう言ってから扉を閉め、ノックする彼女にため息しか出ない。
どうぞ、と入室許可を出したら先程と同じ質問が飛んでくる。
「ドレスねぇ……
あるにはあるけど、それがどうしたの？」
「幹部の方と踊って、その中から数名選ばれて、面会パーティーを開いてくれるそうです！」
「……よく分からないけど、遠慮するわ」
「ええ！？
お化粧道具も持ってきましたよ！？
それにダンスですよ！体を動かせます！」
「それはそうなんだけど……」
頭痛くなってきた。
パーティーだなんて開かなくていいのに……
「はぁ...分かったわ」
そう返事をしてからのカドリは早かった。
素早く着替えをさせてきて、化粧も手早く終わらせた。
私よりカドリが張り切ってるってどういうことなの...？
｢つまづいたフリして抱きついちゃった!｣
｢私も! せっかくのチャンスだもの、アピールしなきゃ損よね!!｣
……あーーーーーー
なるほど、理解した。
横を通っていったご令嬢らしからぬ行動を取った人達の会話で、令嬢達がざわついてた理由も、カドリが張り切っていた理由も……
お近付きになんてなりたくないから、今からでも部屋に戻りたい。
「A様！楽しんできてください！」
「……ええ」
そうね、ここまで来たのだから楽しんでから戻りましょうか。
音楽付きだもの、きっと楽しめるわ
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作者名：ふたみや遥
| 作成日時：2021年3月20日 17時
