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人質とは、軍事同盟間で行われる誓約の保証、または経済上の担保として相手側に預けられた人間のことを指す。
そして、その文化が今も細々と続いている。
大体こういうのは王族の嫡男だったりするのだけれど、今回は皇女様や公爵令嬢を人質としているところが多いらしく私が選ばれた。
理由は多分 結婚適齢期。
我が国の皇女様は19で、一応 婚約者がいる。
次の爵位は男しかおらず、その次の爵位の中から16歳長女に目が向いただけの話。
妹たちは10になる年なのでダメ。
次の爵位の娘は、意中の人と婚約できそうだと嬉しそうに笑っていたあの子。
妹や、彼女を理由に｢こんな生活から出てってやる！｣と内心大歓喜していた。
報告した時に泣かれたのでちょっとだけ心が痛んだ。
ちなみに、事が起きる前に人質経験者の子爵に話を聞いたことがあったから受け入れた。
最低限の生活は保証されているだけじゃなく、毎日まいにち締められながらドレスを着なくていいし、ダンスもしなくていい……
なんて最高な生活！
他の人質令嬢と顔を合わす必要も無い、自室で過ごせる最高な空間！！
……ただ、問題があるとすれば家族に切り捨てられないようにしなければならない。
交渉の利用価値がないと分かれば即座に切り捨てるという噂がある相手国。
この生活を続けるには、あのピカピカ両親に涙を誘う文を定期的に送り付けないと……
哀れんで私を奪還するために汗水流して相手国に尽くしてくださいな。
そして、我々国の方はそれを利用して二年と言わず何年もこの生活をさせてくださいな
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作者名：ふたみや遥
| 作成日時：2021年3月20日 17時
