ストライク【Ｃ５１】

Ｓ / ３１ ページ32

.



「マクドは？」

「マクド！」

「ユニバは？」

「ユニバ！」

「やんな〜」


二人とも大阪出身だから気が合うのか何なのか、
さっきからずっとこの調子で仲良く喋っている。


「あ、洗濯機の事なんて言う？」

「せんたっき、やろ」

「やんな！！」


しかもさっきAが着替えに行ってる間に、
「めっちゃ可愛いやん。お前には勿体無いな〜」
とかうざい事言ってきやがったし。

だからこいつは絶対連れてきたくなかったのに！
全ては、数時間前の野間さんが


「あ、そうや。誠也の彼女見た？」

「え、こいつ彼女できたんすか？初耳やねんけど」

「ここの近くの店で働いとるで。な、誠也！」


なんて無責任な事を龍馬の前で言い出したせいである。
それを聞いた龍馬は「連れて行け！」って何度も
しつこく言ってきて、止むを得ず連れて行く事になった。


「誠也のどこがいいん？」

「えー、龍馬くんは？笑」


俺と龍馬に挟まれて座っているAは、
ほとんど龍馬と楽しそうに喋っている。
しかも、もう下の名前で呼んじゃってるし。
俺の存在忘れてません？

ムカつくから、龍馬にバレないようにAの手を握った。


「どうしたん？」

「めっちゃふてくされてるやん」

「そう！誠也くんってめっちゃ子どもっぽいやんな！」

「精神年齢低いだけやろ。笑」


うざい…けど、今はもう言い返す気力が無いくらい
テンションが下がっている。

Aと龍馬が仲良く喋っているだけで
胸の内がもやもやして息苦しい気分になる。


＊


「じゃあね、龍馬くん！」

「誠也の事よろしくな」

「うん。笑
ほら、誠也くんもバイバイして！」


俺の腕を無理矢理持って龍馬に手を振らそうとするA。

もういいから、早く帰れ！


「私たちも帰ろっか、」


俺はいつも通り、Aの事を家まで送るから
やっと二人っきりになれる。


「もー、歩きにくいってば！」

『うるさい』


二人っきりになった途端、
家にいる時みたくAに引っ付いた。


「嫉妬してる…？」

『そうですけど何か？』

「かわい、笑」


そう言いながら俺の腕をつんつんしてくる、
Aの方が可愛いし。


「ごめんね」

『じゃあちゅーして』

「それで機嫌なおる？」

『うん、』


当たり前じゃん。


「お家帰ってからね」

『は！？なんで！』

「外でやるわけないやん！」


この後どうなったかは、
皆さんのご想像にお任せします。笑



.



カナさんリクエストありがとうございました！！

Ｍ / ３２→←Ｍ / ３０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す