第二章 夜景と君 ページ7
次の日、教室に入ると彼は私に近づいてきた。
「A、おはよ!」
『、、、おはよ。』
彼は私を優しい目で見つめながら挨拶をした。
「なあ、今日移動教室あるから一緒に行かへん?」
彼はニコニコしながら私に話しかけたが、私は行かないと簡潔に伝え席へ向かった。
彼は私に何故かついてきて、永遠と話しかけ続けた。
周りにいる人たちは目を大きく開き、嘘だろという表情で私たちを見ていた。
まあ、こんな彼誰も見たことがないため、驚いているのだろう。
私も見たことはないのだが。
私は永遠とスルーをしていた。
昔であれば、申し訳ないという気持ちが出てきてしまい、反応していてあげたのだろうが、生憎今の私は恋愛なんぞに興味は一切なく、むしろ自分の事を好きと伝えてきた奴なんかとは関わりたくはない。
私は、どんなに話しかけられても返事をすることはなかった。
しかし、彼もそう簡単にあきらめることはなく、永遠と私についてきて、話しかけてきた。
休み時間は当たり前のごとく私の席に近づいてきて、話し始める。
授業中は安心かと思ったが、彼は私の隣の席のため授業中質問されたり、じっと見つめられたりで、私は疲れていた。
クラスの女子はいいなーという目で私を見てきて、男子もいいなーという目で彼を見ていて。
頼むから誰か助けてくれと思った時、彼は他クラスの男子に呼ばれて私はやっと一人になった。
ようやく一息つける。
そう思い、目をつぶり深呼吸をした後前を見たら、目の前にはクラスメイトが大勢いた。
「Aちゃん、紫崎君一体どうしたの!?」
「紫崎が普段と違いすぎて、眩暈してきたんだけど、、、。」
彼らは私に詳しい事情を聴こうとしてたくさん質問してきた。
私も正直に理由を伝えたいが、そう簡単に言えるようなことでもなくどうすればいいか悩んでいた。
『うーん、えっと、その、、、。』
私が返事に困っていた時、一人の男子が余計なことを言ってきた。
「もしかして、、、紫崎と付き合い始めたとか!?」
その言葉に反応してその場にいた全員が叫んだ。
何時からとか、どっちから告白したのとか、さっきより多くの質問をされ困っていた時、私の後ろから一人の声が聞こえた。
「何の話してんすか?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黄色ピン | 作成日時：2024年3月19日 20時
