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「そうだよな。Aには遊んでいる暇なんかないからな。遊んでいる暇があったら勉強をしてもらわなきゃ私たちの後なんか継ぐことは出来ないからな。」
「聞いたぞ、テストでいい点数を取ったそうじゃないか。前よりも一気に点数が上がったんだってな。しっかりと努力を重ねていくことによって、やっと成果として出てくる。きっとAが勉強を一生懸命頑張ったからだろうな。」
そう話す父は少し微笑んでいた。
珍しい。
父は何故か私を褒めてきた。
私がテストのために寝る間も惜しんで勉強してたことが、先輩や彼と一生懸命勉強してきたのがやっと認められたように感じ、少し嬉しい気持ちになった。
『あ、ありがとうございま「でも。」、、、。』
「満点ではなかったんだろ?それは一体どういうことかわかるか。」
『ッ、、、。』
「まだまだ努力の余地があるという事だ。今まで一番いい点数を取ったからと言って喜ぶんじゃない。全ての教科で満点を取り、それをキープし続けてやっと喜べるんだぞ。何か勘違いをしてないよな。」
父はさっきとは打って変わって、私を叱ってきた。
まだまだ努力の余地がある?
私は今までにないくらい努力をして、頑張って、それでやっとこの点数を取れたのに、これ以上どうすればいいというのだ。
私は、彼や先輩と一緒に勉強していたその時間さえ、否定された気持ちになり、二人に申し訳なくなった。
今、私の中にある色々な感情を飲み込んで私は父の言葉に返事をした。
『はい。わかってます。まだまだ私は努力が足りていません。』
自分の気持ちを押し殺して、父や母が望んでいるであろう返事をする。
私が返事を言った後も、父は話し続けたが、私の耳には父の言葉が全く入ってこない。
私はゆっくりと首元にあるネックレスを触った。
早く終わってくれ。
そうおもっていると、父のスマホから電話がかかってきたため、父は話をやめリビングから出て行った。
チャンスは今しかない。
私は部屋に戻ろうとした。
母が止めようとしてきたが私が勉強してくると言うと、止めるのをやめた。
そのまま私は部屋に入り、鍵を閉めた。
『ショッピ、、、助けて、、、。』
その場にしゃがみこみ、私は小さく声をあげることしかできなかった。
第四章 宝物
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2024年3月19日 20時
