【d!】恋愛なんてくだらない【shp】 (ページ37)

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閑話ページ37

「そういえば俺、Aに名前言ってなかったよな?」

あの出来事が終わった数日後、私は先輩と空き教室にいた。

テスト勉強をする必要がないため、集まる場所が図書館じゃなくてもいいかという話になり、人がいない、この空き教室に集まっていた。

今日は、彼が先生に呼び出され、私と先輩の二人っきりだった。

『確かに。ショッピがよく言ってるからコネシマさんっていう名前は知ってますけど、フルネームは知りませんね。』

私と先輩が初めて出会ったとき、私は先輩に自己紹介をしたが、先輩は私に敵対意識みたいなのを抱いていたため、名前を言っていなかった。

先輩は少し申し訳なさそうな顔をしていた。

「いやー、Aにはいろいろお世話になったのに、名前を言ってなかったなんて信じられへんわ。」

『そんな、別にそこまで自分を追い詰めなくても、、、。』

先輩は自販機で買っていた、水の入ったペットボトルを取った。

そのままキャップを取り、飲み始めた。

その姿は誰が見ても綺麗と思うような気がした。

やっぱり、先輩はイケメンの類なんだろうな。

そんなことを思っていると、先輩は水を全て飲み干した。

「よし、じゃあ、今更やと思うけど、自己紹介するな。俺は捏島孝行。年齢はAの一個上の17歳。俺の事はなんて呼んでもらってもええで。これからもよろしくな。」

捏島、、、捏島孝行?

どこかで聞いたことがあるような名前に違和感を感じる。

捏島、、、。

考えても答えが出ることは無い。

『、、、はい、よろしくお願いします。』

「なあ、そういえば、俺Aの事普通に呼び捨てで読んどったんやけど、嫌だったりしたか?」

先輩は心配そうに聞いてきた。

『いや、全然大丈夫ですよ。むしろ、呼び捨ての方が仲いい感じがして、嬉しいです。』

先輩は私の返事を聞いて安心した顔を見せた。

『というか、私今まで先輩の事先輩って呼んでたんですけど、これからコネシマ先輩って呼んでもいいですか?』

「全然ええで!むしろそっちの方が嬉しいまであるかもしれへん!」

嬉しそうな顔で先輩は言う。

『じゃあ、改めて、これからもよろしくお願いします。コネシマ先輩。』

「おう、こっちこそよろしくな、A。」

暑い日差しが私たちを照らす。

今日、私と先輩の仲はより深まった気がした。