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「勉強なんて、誰でもできた方がいいじゃないですし。そんなことより、この後どうしますか?」
先輩はその言葉に納得した様子だった。
きっと彼は、私のために、話を逸らしてくれたんだろう。
今の対応には、感謝しかない。
これ以上聞かれたら、どうすればいいかわからなかったから。
「せやなー、、、。」
先輩は顎に手を当てながら何かいい案を考え始めた。
「よし、二人ともメッチャいい点数を取れたし、、、なんか食いに行くか!」
その言葉に彼はいち早く反応した。
「それは、コネシマさんの奢りで、、、?」
「あったり前やろが!」
先輩はニコッと笑いながら元気よく言った。
「どうせだし、焼肉とかどうや?」
『焼肉!いいですね、食べたいです!』
私がそういうと、先輩は席から立ちあがった。
「それじゃあ今から行くぞ!たくさん食えよ、せっかく俺がおごったるんだから。」
「ゴチで〜す!」
彼もうれしそうに席を立った。
彼は私に手を差し伸べた。
「ほら、A、はよ行こうや。」
私は、彼の手をそっと掴み、立ち上がった。
「はよ行くで!」
先輩はカバンを持った。
彼も、自分のと私のカバンを持った。
「はい、A。」
『ありがとう。』
そのまま図書館を出て、下駄箱に向かった。
「楽しみやなー、焼肉。コネシマさんが奢ってくれるらしいし、食えるだけ食わなあかんな。な、A?」
『、、、そうだね。せっかくだしいっぱい食べさせてもらおう。』
彼と話しながら靴を履き替える。
外に出ると、先輩はもう立っていた。
「はよ行こうや!」
私と彼は先輩のもとへ走っていく。
「コネシマさん、俺らめっちゃ食べるんで、覚悟しといてくださいよ。」
「おう、いくらでもかかってこい!」
そういうと、先輩は私と彼に肩を組んできた。
『ぎゃ!ビ、ビックリした。』
「うわッ!、、、ちょ、離れてください!」
「ホンマにかわいくない後輩どもやな!」
この場面を切り取ったら、きっと青春の一ページみたいなんだろうな。
なんて、バカみたいなことを考えながら、歩き出す。
ようやく夏らしく、暑い日差しが出始めた。
セミの声が遠くから聞こえてくる。
私は、今感じている幸せを嚙みしめる。
こんな時間が一生続けばいいのに。
七月後半、雨続きだった天気は、雲一つない快晴となった。
第三章 二人の友情 雨のち晴れ
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2024年3月19日 20時
