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「よし、乾かし終わったで。」
彼は櫛で髪をとかしながら言った。
『わぁ!髪がすっごいさらさら。』
「せやろ。めっちゃ丁寧にやった。」
彼は自慢げに髪を触りながらふんとかっこつけていた。
『ありがとう。』
「どういたしまして。」
二人で笑いながら少しの間話した。
ふと、時計を見ると、もう7時半だった。
『もうこんな時間だ。ちょっとおなかすいてきたかも。』
私は、そろそろ帰らないと、家に着くのが遅くなってしまうと思った。
両親は、今日は家に帰ってこないため、怒られることは無いと思うが、早めに帰らなくてはと思い、帰る準備をしようと思った。
『じゃあ、そろそろ帰らないと、家に着くのが遅くなっちゃうから、、、。』
そう言って、立ち上がろうとすると、彼にそれを止められた。
「、、、俺、腹減ったかもしれへんな〜。でも、俺料理できへんな〜。どうしよっかな〜。」
彼は目線をそらしながら独り言のように言った。
『いや、でもそろそろ帰らないとほんとに、、、。』
私はそういうと、彼はゆっくりと何かを話し始めた。
「俺、Aの髪の毛乾かしてあげたやん。」
そういう事か。
此奴は最初から私に料理を作ってもらうためにやったんだな。
私は少しの苛立ちを感じたが、まあ、もう少しだけならいいかと思い、仕方がなく作ることにした。
『わかった。私が何か作るよ。』
「ホンマに!?」
彼は嬉しそうに声を荒げた。
『だけど、その代わり一つ約束して。明日、先輩と会って、しっかりと仲直りすること。』
そういうと彼は嬉しそうだった顔を一瞬で歪めた。
「そ、それは絶対?」
『絶対。』
彼は少しため息をついた後、分かったと了承した。
『出来た!』
「おーうまそう。」
『A特製、スペシャルチャーハン!』
「はよ食べたいんやけど。」
『はいはい。』
私は簡単に出来るチャーハンを作った。
食べてみると、思ったより美味しかった。
彼も美味しいと言ってくれて、嬉しい気持ちになった。
「ふー、美味かった。作ってくれてありがとな、A。」
『いや、ほんとにね。本来であれば作るはずじゃなかったのに。』
そんなことを話しながら、今度こそ帰ろうかなと思っていると、ザーという雨の音が突然大きくなった。
『あーあ、早いうちに帰っておくんだった。もう家まで行くのめんどくさいんだけど。』
そういうと、彼は意味の分からないことを言い始めた。
「今日うちに泊まっていったら?」
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2024年3月19日 20時
