【d!】恋愛なんてくだらない【shp】 (ページ29)

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彼は本当に私に優しい。

彼はこんなにも私に優しくしてくれているのに、私は何も彼に返せていない。

私以外の人を好きになれば、彼はもっと幸せだったのではないか。

考えれば考えるほど、胸が苦しくなる。

頭や身体を洗い終わり、風呂場から出た。そこにはバスタオルと服が置かれていた。

バスタオルを取り、水滴をふき取り、下着を着て、彼の服を手に取った。

ダボっとしたズボンとパーカー。

着てみると、思っている以上に大きかった。

彼は、他の男子と比べると、華奢の方ではあるが、やはりれっきとした男性なんだなというのを改めて感じる。

動くと少しズボンを引きずるが、裾をまくればそこまで気にはならない。

それ以上に、やはり彼の服だからか、彼の香りがとてもする。

甘いような、苦いような。

彼に抱きしめられているように感じがする。

シャンプーもリンスも、彼と同じのを使わせてもらったため、髪からもいい香りがする。

少しばかり恥ずかしいような感じがする。

洗面所から出て、リビングの方に向かうと彼はソファーに座ってスマホをいじっていた。

『ショッピ、お風呂ありがとう。』

「あ、A、もう上がったん、、、や。」

彼と目が合った。

彼はその瞬間顔を真っ赤にし、近づいてきた。

「A、、、抱きしめてええか?」

『ダメに決まってんでしょ!?』

私は咄嗟に彼から距離を取ると、少し悲しそうな顔をしながら、ため息をついた。

「まあそっか。でも、Aが俺の服を着てるって考えるだけで、めっちゃ幸せやからええわ。」

彼はそういうと、私の髪を触ってきた。

「髪、乾かしてないん?」

『あ、ドライヤーがどこにあるのかわからなくって。』

そういうと彼は私をカーペットが敷かれてる所に私を座らせて、ドライヤーと取りに行った。

「なあA、俺が乾かしてもええ?」

『いいけど。むしろいいの?やってもらっちゃって。』

「全然ええで。むしろやらせてや。」

そういうと、彼はヘアオイルを手に出して私の髪になじませた。

『ショッピって、ヘアオイル使ってるんだ。』

「まあ、なんか、香りがめっちゃ好きやったから。」

女子力が高い。

すると、彼はコンセントを差し、ドライヤーで乾かし始めた。

「痒いところはありませんか～？」

『ありませーん。』

それは普通シャンプーするときに言うのに。

何とも子供らしい会話だが、逆にそれが楽しい。

彼は、手櫛で優しく乾かしてくれる。

それが、とても心地よい。