【d!】恋愛なんてくだらない【shp】 (ページ27)

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「やっと、、、やっと、本当の恋を知れたのに、先輩はそれを否定した。」

彼は、下を向きながら両手を固く握り、ゆっくりを話した。

本当の恋、、、。

先輩も言っていたけど、昔一体彼は何があったのだろう。

聞きたいけど、聞いていいのかわからない。

それでも私は勇気を出して聞いてみることにした。

『ショッピ、ショッピは昔、何があったの?』

そう聞くと、彼は一瞬考えるそぶりを見せたが、Aにならええかと言って、話し始めた。

「俺は、昔好きな人がおったんよ。向こうから話しかけてくれて、優しく接してくれて。もしかして向こうも俺の事好きなんかなって思っとった。でも、そんな考えは、所詮は妄想でしかなかった。」

『、、、。』

「俺がソイツに告白すると、ソイツは俺の事を馬鹿にしながら振った。お前の事が好きなわけないじゃん。私はコネシマ先輩が好きなんだよ。変な勘違いすんな、って。」

彼はどこか遠くを見つめながら悲しそうに言った。

「ソイツは、コネシマさんと関わるために、コネシマさんと仲のいい俺に近づいてきてたんよ。結局、コネシマさんはそのことに気づいて、振ったらしいですけど。」

「コネシマさんは、俺に酷いことをしてしまったと思って、前以上に俺に優しくなった。別にコネシマさんは何もしてないのに、、、。」

『、、、。』

「それから俺は、女性と話すのが苦手になりました。彼女なんて別にいらない。どうせ、俺に近づいてくる奴はロクな奴がいない。そう思って過ごしていました。そんな時に、Aと出会った。」

『、、、!』

「最初は、俺に近づいてくるから、ロクな奴じゃないんだろうなと思って、避けてました。でも、あの屋上での出来事の時に、分かったんです。Aは自分が思っているような人じゃないって。」

「その時、俺はAの事が好きになりました。」

彼は懐かしそうに今までの出来事を思い出しながら話していた。

微笑んだり、時々辛そうな顔をしたり。

聞いてるこっちまで、悲しくなった。

話を聞いて、コネシマさんが必要以上に彼の事を気にかけている理由が分かった気がした。

自分のせいで彼を傷つけてしまったと、自分自身を許すことが出来ていないのだろう。

そんなことを考えていると、彼は私の手を握った。

「なあ、A。Aは、俺の事裏切ったりせんよな。」

その手は、弱く握られていて、少し震えているのが分かった。