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これ以上このままでいたらヤバイ。
このままだと、私は確実に彼の事を好きになってしまう。
好きになってしまうのは止めようとしても止められない。
自分で好意の感情をコントロールすることは出来ない。
それを私は知っている。
私は彼とつながれている手を離し、勢いよく立った。
「A、、、?」
彼は不思議そうな顔で私を見つめていた。
『ショッピ、、、。もう帰ろう。』
私がそういうと、彼は少し悲しそうな顔をした後、すぐに普段の落ち着いた表情に戻し、そうですね。と言って立ち上がった。
私たちはそのまま、家へと向かった。
*
『今日は、本当にありがとう。こんな夜遅くまで付き合ってもらっちゃって。』
現在時刻は9時半。
俺はAを家に送っていた。
「そんなことより、本当に帰って大丈夫なん?A、家に帰りたくないって、、、。」
そういうと、Aは儚げな笑みを浮かべながら、大丈夫だから。と言った。
その瞳の奥が少し揺れている。
Aは我慢している。
それが、俺には分かった。
一体Aは何に悩んでいるのか。
それさえわかれば、もっといい案を出すことが出来るのではないか?
そう思うことが、それはAのプライベートと聞くことになる。
Aは、自分の事を聞かれるのがあまり好きではない。
だから、俺はAに嫌われたくないと思ってしまい、聞くことが出来ない。
結局俺は、Aを助けたいより、Aに嫌われたくないという気持ちの方が大きいのだと思い、少し胸が痛くなるのを感じた。
そんなことを考えていると、彼女の家についてしまった。
『じゃあ、ショッピ、またね。』
彼女はそういうと、俺に背を向けて玄関へと向かって行った。
俺は、咄嗟に彼女の手首をつかんだ。
「待ってや!」
『、、、何?』
「、、、ほんとに大丈夫なん?」
そういうと、彼女は少し顔を歪めた。
彼女は口をゆっくりと開けて何かを言おうとした。
しかし、そのあと言葉を言うことは無く、ゆっくりと口を閉じ、ニコッと笑った。
『大丈夫。心配してくれてありがと。』
そういうと、彼女はもう片方の手で俺の手を離し、じゃあね。と言った後、家の中に入っていった。
俺は、ただAの背中を見つめることしかできなかった。
第二章 夜景と君
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作者名：黄色ピン | 作成日時：2024年3月19日 20時
