新しい人 ページ9
「ひとらんさんもここの孤児院の人なんですか…？」
そのあと、ひとらんさんはグルッペンさんに報告すべく家の中に戻ってしまった。子供達はチョップされたせいでおとなしくなっていたので、私とゾムさんは教会へと戻った。
教会はいまだに誰もおらず、ステンドグラスから差し込む光がとても綺麗。思わずじっと眺めてしまうくらいには、その光景は神秘的だ。
私の質問に、ゾムさんが答えた。
「そー。俺ら孤児院の出やから」
「じゃあひとらんさんも家族なんですね…」
「まあせやな。兄弟みたいなもん」
「へぇ…」
「ここの孤児院はグルッペンの親父さんが元々経営しててな。親父さんがこうやって親おらん子供とか、捨てられた子を見つけたり拾ったりして、育ててくれててん」
「…そうなんだ」
「そ。んで15になったら一人立ちするか、グルッペンの組に入って働くか選べる。大体は組に入るけど」
「ほう…」
「一人立ちもなんやかんやで支援とかしてくれるし、ここは俺にとって一番守りたい場所やな」
そういうゾムさんは、きっと15歳の時の選択で、組に入ることを選んだのだろう。ひとらんさんも。
「喋りすぎたかも。グルッペンには内緒な。あいつ組のことお前に話したがらんから」
「はい、わかりまし。秘密にしときます」
「ん、頼むわ」
そうして教会を2人で眺めていると、教会の入り口からコツ、と靴の音がした。
「あれぇ、ゾム。お前今日仕事やろ。なーにしてんの？」
「お、ぺ神やん」
振り返れば、どインパクトすぎて覚えている、顔に「神」という紙を貼り付けた、男の人。ぺらり、と自分でその紙をめくって、私を見るなり「おお」と声を漏らした。
「彼女？やるなあ」
「ちゃうわ！しばくぞ！！」
「なんや違うんかい。まあこんな可愛い子がゾムの彼女な訳ないしなあ」
「どういうことやねん…俺かて可愛い彼女の1人や2人作れるからな？」
「はいはい」
「なんで俺があしらわれてるんや」
そうしてブツブツと文句を垂れるゾムさんを横目に、ぺ神と呼ばれた人は私の目の前にやってきた。手を差し伸べられて、自己紹介。
「おれはしんぺい神。好きなように呼んでくれてええよ」
「あ、はい。しんぺいさん…？」
「うん、それでいいよ。君は？ゾムがここに連れてくるってことは、ゾムの大事な子かなって思ったけど…」
「いや、私はそんな大層な子ではないです…Aと申します…」
「……Aちゃん？」
「は、はい」
「…ゾム、お前知らんよ」
「大丈夫やって」
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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