損な役得 ページ45
コネシマを誘ってお洒落なケーキ屋にしたのはいいが、やっぱり男子高校生二人で入る店ではなかった。
授業が終わった瞬間にコネシマを連れて、Aと田中さんより早くそのケーキ屋さんに到着した俺たちは、一番奥の席に座ったのだが、意外にも人が多く、肩身狭い思いをしていた。
「…おいシャオロン…」
「なんや」
「なんで俺は、放課後に、野郎と二人きりで、ケーキ屋におらなあかんねん」
「…俺が聞きたい」
Aとケーキ食べれるかな〜あわよくばデートできるかな〜とか思っていたけど、Aたちが来るまでがわりと地獄。
野郎と二人でいるせいで、「何？あの人たち」みたいな視線が絶えない。背中が痛い。早く来てくれへんかな、と思っていたが、超絶走ってきた俺たちと違い、仲良くお喋りしながら来たのであろう二人が到着したのはそれからおよそ15分後だった。
到着すれば、それはそれでコネシマと田中さんが口喧嘩に発展し、それを二人で止めることになるし、コネシマの怒りの矛先は俺に来て、途中から頼んでいたジュースの氷は、溶けきってしまった。
でも惚れた弱みというのはよく言ったもので、Aが、「今日はそれくらいにして、ケーキ食べようよ！」と一声かければ、たちまちコネシマは大人しくなったのだった。
「………お前許さんからな、シャオロン」
「こわこわ。えーやん別にケーキくらい食おや」
「こいつ………」
「おいしーね田中さん！」
「ね」
女子組は楽しげにケーキを食べているのに俺は怒っているコネシマの忌々しげな視線を受け流す役目。まあしょうがないか、と横目にAを眺める。席順的には、俺の隣にA、前はコネシマ、コネシマの横は田中さんという感じだが、前に座って貰えば良かったな。
「(そしたら顔、よく見えるのに)」
隣は隣で良いのだが、顔をゆっくり眺めたいというのもあるからさ。
でもチラリと見える、美味しそうにケーキを頬張る姿を見て、今日はこんな役目でも、来て良かったかもしれないと思った。
そして、女子組が満足したのか、ある程度お喋りしたら解散しようかとなった、帰り道。
コネシマとAが先を行き、二人で喋る(コネシマはほぼ頷いてるだけ)のを眺めながら帰る。隣には珍しく田中さんがいる。
「ねえ」
「んー？」
「がんばってね」
「え？なにが」
突然応援の言葉を投げかけられて思考が止まった。
「貴方、Aさんが好きなんでしょう？」
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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