太陽の魔法 ページ40
グルッペンさん帰ってこなくなって1週間。
前からちょくちょく帰らないことはあってもこんなに長く期間を空けることはなかった。きっとあの文化祭のことが関係しているに決まっている。変な男に殺されかけた。私に「もうこんなことはないようにする」と言ったグルッペンさんの目が今でも忘れられない。
でもオスマンに聞いてもトントンに聞いてもエーミールに聞いてもみんなグルッペンさんのことは教えてくれない。エーミールは後一押ししたら喋りそうだったのだがオスマンに怒られたからやめた。
「お前が心配なん、わかっとるけど…アイツも仕事やから、許したれ」
トントンにはそう言われた。
けどやっぱり納得できない。ゾムさんやひとらんらんさんに聞いてももちろん話さない。でも前よりわかりやすく二人が見つかるようになった。
そうしてまた時は経って、帰ってこなくなって1ヶ月経った。
「A〜？元気ないなあ」
「…うん…」
私のせいでグルッペンさんが帰ってこない。
オスマンにいったら「Aちゃんのせいじゃないよ」と言われそうな雰囲気だが、私はわかっていた。あの人は私を守るために今あちこち飛び回ってあの殺そうとしてきた男の人を探しているんだ。
学校でシャオロンくんが心配そうに声をかけてきてくれた。いつもなら取り繕うところだがそれも隠すのをやめた。こうして私が落ち込んでいるのをみたゾムさんやひとらんらんさんが報告して、グルッペンさんが心配して帰ってくるのを狙っている節もある。
「まだおじさん帰ってこんの？」
「…うん」
「そっか、それは心配やしな…」
軽く訳を話していたからシャオロンくんもそうして顔を悲しそうに歪ませた。ちがう、シャオロンくんまでそんな顔しなくていい。私は思わずパッと顔を上げて笑った。
「まあ仕事だから、しょうがないよー」
「んん…」
優しい人だ。私のために色々考えて元気付けようとしてくれている。それだけで嬉しかった。自然と笑顔になれた。
「でも、あんまり無理したらあかんで。ほんまに寂しなったら、俺に言って？」
「寂しい！！！！」
「早いなぁ〜！！よし！！」
寂しいもんは寂しい！！
そういう気持ちで言えばシャオロンくんは思いっきり抱きしめてくれた。頭も撫でてくれて、わしゃわしゃと髪の毛が乱れていく。
「俺がおるから大丈夫やで！」
「！ ……うん！！」
「よーしよしよし！！」
「犬かよ！」
シャオロンくんはやっぱり太陽みたいな人だ
自然と笑顔になれるから
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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