キャパオーバー ページ35
「なん、」
オスマンにばれたか！？と思ったけど、その手の正体を掴めないままずるずると引きずられて人混みをかき分けて進んでいく。なに、なに。オスマンじゃない。オスマンはこんなことしない。じゃあ、誰？
そのままろくな抵抗もできぬまま引きずられ人気のないところに出てくる。そこまでくれば誰が私を引っ張っていたかわかった。
「(だれ…)」
知らない人。
知らない、おじさん
「あ、あの」
誰かと間違えている可能性がある。
私は慌てて声をかけたが、次の瞬間にはおじさんは振り返って私の口を抑え込んだ。そのまま背後に回られて首を絞められる。
「！？ッ、ぅ」
突然のことで息ができない。おじさんは私より大きい体なので、力を入れられると体がゆっくりと地面から浮くのがわかった。なんで、誰だよこいつ！！！
「俺は恨みないけど堪忍な」
「ぐ、ぅ、うっぅ」
「依頼はこなさないと」
依頼、恨み？なんのことかさっぱり。しかし瞬時に出てきたのはグルッペンさんの顔で、もしかして彼がらみのことだったりするのか、と思ったがもうダメだ。息が、意識が、ぁ、…
「ッチ！！」
しかし、突然体に酸素が取り込まれた。私が認識した時には目の前に緑色が広がっていて、自分はたくさん咳き込んでいて、私を襲っていたおじさんはひとらんらんさんによって捕らえられていた。
「マジでスグどっかいくやん。オスマンから離れるからやわ」
「げほ、ッう…」
「ほら吸って、ゆっくりでええから…」
「はーーーー………………ッ、……」
「よしよし」
緑色はゾムさんで、混乱している私の背中をさすってくれた。
「どこの組なわけ」
「組ちゃうで。俺は依頼されたダケ」
「じゃあどこの組から依頼されたわけ？これなら答えられるよね」
「俺はビジネスの約束は守るタイプや」
「早く契約切らないとお前のクビが飛ぶけど」
「おー怖。ここカタギの学校やで？」
「関係ない。害虫は消す、カタギも害虫は殺すだろ？」
「人様を害虫扱いなんて、なんちゅう教育されとんねん」
淡々と行われる会話を聞き取り始めたのはこのあたりから。ひとらんらんさんはおじさんを床に押さえつけて懐にしまい込んでいる短刀を取り出して首に当てている。キラリと光るそれは本物だ。
「もう一回聞くけど、どこの組に依頼されたの」
「もう一回言うけど、俺はビジネスの約束は守るタイプや」
ひとらんらんさんが舌打ちした。それと同時に私の視界はゾムさんにより見えなくなった。
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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