待ち時間 ページ23
「へぇ、劇すんのかあ」
「そうなんですよー」
「…ちょっと、何普通に喋ってんの」
部活からの帰り道。グルッペンさんの車を待っていたのだが、暇すぎてうろついていたらゾムさんを見つけてしまった。おーいと声をかければ、最近は諦めが早いのかすぐに姿を見せてくれて話し相手になってくれる。
今日、弓道部が文化祭でやる出し物が決まった。劇をやるらしい。コネシマくんが主役の白雪姫。コネシマくん本人がいないのに勝手に決めていたそれは、きっと聞かされたら、怒るだろうなあと思いつつ、わたしもコネシマくんの白雪姫…というか、女装を見てみたいとそわそわしているのだ。楽しみだ。
そんな話を報告していれば、ひとらんさんが不機嫌そうにやってきた。今日は2人で監視していたようだ。
「もうええやんひとらん。別に怒らんて、グルッペンも」
「怒る怒らないじゃなくて、これは仕事。護衛対象とぺちゃくちゃ喋るなよ」
「なんやねんノリ悪いなー。暇やねんからしゃーないやん？なー」
「ねー」
「ねーじゃないから、君も」
ひとらんさんは真面目だから、勤務中にゾムさんとわたしが喋るのを見かけるといつも怒ってくる。真面目な人なのだろう。
「2人とも、文化祭見にきてくださいね！」
「仕事やなかったら行くわ。まあ仕事やろけどな」
「外部からも学校に人が入ってくるから、護衛不可避だろうね」
「えー！？」
「俺だって休み取りたい」
「…俺も休みたいよ」
「グルッペンさんになんとか言って休ませてあげたい…」
ゾムさんはアレだけど、ひとらんさんの休みたいは、なんかこう…切実なものを感じる。彼の眼鏡の奥の、クマが濃いのに気づいたのは今さっきだ。
「…来るよ」
なんとかしてあげねば…と思っていたら、ひとらんさんがそう言って何処かに消えてしまった。ゾムさんも気づいたらいない。ああ、グルッペンさんが来たんだなあ。振り返れば、黒い車がやってきていて、止まっていた。
「待たせたな。すまん」
「んーん、大丈夫！」
「エーミールは？」
「もう来るんじゃないかな」
「そうか、待つか…」
「そうだねぇ」
どうせ報告で回るだろうけど、文化祭の話でもするかぁ、とわたしは車に乗り込み、エーミールを待つ傍ら、2人にした話と同じ話をした。
end
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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