○ ページ22
次の日の朝、私はいつもより早起きして、寝る前のグルッペンさんを捕まえた。すごく疲れているようだが、ちゃんと話をしなければならない。
「グルッペンさん！」
「なんだ」
「ちゃんとご飯食べて！」
「食べてる」
「嘘！食べてないでしょ、あとちゃんと朝起きて夕方帰ってきてみんなとご飯食べて！！」
「仕事の都合だから仕方ないだろ」
「ダメ！！」
そうきっぱり言い切ればグッ…と眉間にしわを寄せて不機嫌そうな顔をするグルッペンさん。
「何故だ？」
「え？」
「何故ダメなんだ」
「ご飯はみんなで食べるのが一番美味しいでしょ」
「…」
「一人で食べてても、寂しいでしょ？それに、この家に住んでるんだから、この家のルールを守ってください！」
「…ルール…？」
「3食はしっかり食べる！一緒に！」
「仕事なんだが特別ルール適応はないか」
「ご飯もしっかり食べられないような仕事なら辞めなさい！」
自分でもなかなかむちゃくちゃ理論、暴論だとは自覚しているが、きっと彼はここまでしないとご飯を食べない。その証拠に渋って顔をしてる。
「大人のくせに、自己管理もできないの？」
煽るように言えば、顔を引きつらせた。
「お前なあ…」
「お仕事、忙しいのはわかってるし、他の仕事より特殊なのもわかってる、つもり。でもそれでもちゃんと食べて。ちゃんと寝て！」
「……」
「…グルッペンさんと、ご飯一緒に食べたいの…」
家族、みたいなもんなんだから
そうしてしばらく沈黙が続いた。
ここは譲れない、と私はグルッペンさんをじっと見つめた。
すると最終的にグルッペンさんはため息をついて、「……わかった」と言った。
「そんなに俺が好きかお前は…」
「はぁ！？」
「寂しい思いをさせて悪かったな、ほら抱きしめてやろう」
「プラス思考だなぁぁこのおじさん」
「最近構ってやれなかったからな、ほら」
来い、と言って呆れたように笑うグルッペンさん。
「寂しかったのはそっちのくせに！」
そう言って私は思いっきり抱きついてやった。
「ちゃんと食べてちゃんとお風呂はいってちゃんと寝て！んで私に構うこと」
「はいはいお前は姫か？」
「グルッペンさんは家来でしょ」
せめて王子にしろ、と言われたがその年で王子は笑えるよ。そういう意味を込めて腰に回す手に力を込めれば、ゆっくりとグルッペンさんの唇が私の額にあたる。
「ところでA」
「うん？」
「夜中に家を抜け出すとはどういう了見だ」
「…」
ゾムさんチクったな！？
end
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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