寂しいだけ ページ21
ゾムさんに慰めてもらった日から、ゾムさんを見かけない。
「ねえグルッペンさん、ゾムさん元気？」
「ん？ああ…元気だな」
無駄に、と付け足すグルッペンさん。
グルッペンさんの部屋にゲームを持って居座ってやろうと意気込んでいけば、もう夜も遅いのにどこかに出掛けようとコートを羽織っているグルッペンさんがいた。
「どこ行くの？」
「仕事だ。呼び出された。すぐ戻る」
「大変だね」
「そう言う仕事だ」
そういってグルッペンさんはわたしを部屋から追い出し、リビングで紅茶を飲み寛ぐエーミールに一言何か告げて家を出て行った。
最近多い、グルッペンさんの夜の外出。
「エーミール、グルッペンさんなんて？」
「ん？朝には戻るって言ってたで」
「朝帰りなんてけしからん人だなぁ」
そういってエーミールの横でゲームを始めたのだが、「もう寝なあかんで」と言われたので、10分だけゲームして部屋のベッドに潜った。
「……」
仕事が忙しそうなグルッペンさん。
前はそんなことなかったのに、この時期はもしかして忙しくなるのだろうか。朝帰って来るから、わたしが起きて学校に行く時、グルッペンさんは寝ている。つまり、朝見送ってくれない。それに、昼起きて夕方出て、そのまま次の日の朝まで帰ってこないことだってざらにある。そうなったら夜ご飯も一緒に食べてないし、寧ろグルッペンさん自身がご飯を食べているかも危うい。一応トントンはラップにかけてご飯を置いてくれているようだが、手がつけられていない時だってある。
「これは死活問題です！」
「だからって夜中に家出るな！バレたら俺が殺されるやろ！」
みんなが寝静まった夜中の2時に家を飛び出したら当然のごとくゾムさんが私を捕まえた。絶対捕まえると思っていた。なぜならこの家にグルッペンさんがいない時は、必ず誰かが見張ってるって聞いたから。
我が家の屋根の上で夜風に当たりながらゾムさんと向き合う。
「グルッペンさんご飯食べてないよ絶対」
「元々そんな食うタイプちゃうで」
そういってゾムさんは頭を掻いた。
ご飯を食べるタイプじゃなくてもこの家にいる限りはしっかり三食食べてもらわないと困る。何故ならそれが我が家の家訓だから。何故なら私が幼い頃から、お母さんに言われた言いつけの１つだから！この家の家主は今は私だ！
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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