○ ページ16
「貴方、彼女が好きなんじゃないですか？」
エーミールは淡々とそう言った。鬱先輩はそんなエーミールを睨みつけていて、私と、ほぼ二人に挟まれた状況のロボロ君は置いてけぼり。
「私は貴方よりきっと恋愛経験は少ないでしょう。だからこそ言えます。彼女が本気で好きなら彼女を泣かせるな」
「ッ、」
「好きな子を泣かせて喜ぶのは小学生までです。貴方は小学生ですか？」
「なん、」
「まあとにかく、彼女が好きでも、彼女が遊びでも、どちらでもいい」
エーミールの細い腕にそんな力があるのかと思わざる得ない。掴んでいた胸ぐらをベッドから引きずり出して、鬱先輩を立たせるエーミール
「今すぐ謝れ、彼女に。頭を下げて謝れ。地面に擦り付けろ」
「…なんやねん、お前！」
「なんやねん？」
「教師の癖にしゃしゃり出てくんな！」
「知らないと思いますので教えてあげますけど、私は教師以前に彼女の家族同然の存在です」
エーミールはさらに続ける
「共に住み、短い期間ではありますが貴方なんかより彼女を見てきた。大切な人です。泣かされたら腹も立つ。悲しんでるなら助けてあげたいでしょう。今回の原因は君です。100%君が悪いこの状況下で、私が君側に付く理由はない。謝れ」
「住…」
「え、エーミール、もういいよ」
「ダメです」
「いいよ、もう。いいから！」
私は鬱先輩の胸ぐらを掴むエーミールの手を掴んだ。二人の間に割って入れば、エーミールは舌打ちした。
「エーミールが、こんなことしなくて、いいの」
「…」
「私のためにありがとう。でも、先生なんだから」
「生徒を守れなくて何が先生や」
「だからって生徒守るために生徒に手を出しちゃダメだよ。…とにかく、もう行こう」
「……」
「はやく！」
そう言って私はエーミールを押して、保健室から出す。
「ロボロくん、ごめん。鬱先輩に手当てしてもらってください」
「…え、あ、うん」
「鬱先輩」
「…」
「殴ってすみませんでした」
そう言って頭を軽く下げた。殴ったのは、悪いことだから。
「だからもう話しかけないでください」
それしか望まないから
「待っ…！！」
扉が閉まる寸前、鬱先輩の声がした。
end
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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