○ ページ15
後ろからロボロくんに呼ばれたが、無視して走った。涙が止まらなくて、鬱先輩を殴った手はヒリヒリするし、唇も擦りすぎて、痛い。
でもそれ以上に苦しくて、頭がいたい。なんでこんなことに、なんで私が。
そうして全速力で廊下を走っていて、曲がり角に差し掛かったあたりで、誰かにぶつかった。ドン！！！！と強い衝撃で、体が勢いよく後ろへと倒れて、尻餅をついた。痛い。
「わっ、びっくりした…A？」
「…え、みーる…」
ぶつかったのはエーミールで、少し教材を落としたエーミールはすぐさま拾い上げ、そうして私を立ち上がらせた。でもその後すぐに私がボロボロに泣いているのがびっくりしたのか、あわあわと慌てはじめた。
「どっ、エッ！？そんな痛かった？ごめんな、俺が前見てへんかったから…」
「ち」
「ん？」
「ちがう…」
確かに尻餅も痛かったけど、それじゃない。
痛いのはもっと心とか、唇とか、そこら辺。
訳がわからないというエーミールに全てを話した。思い出すだけで頭が痛いが、話さなきゃわからないから、とタジタジになりながらも全て説明した。
「…なるほど」
エーミールはそれだけいうと、ポケットからハンカチを取り出して、私の唇に当ててくれた。
「擦るから、血が出てる。ほら拭いて」
「ん゛ん…」
「よし、偉い偉い」
まるで小さな赤子をあやすように、エーミールは優しい笑顔だった。私の頭を撫でて、私を落ち着かせようとしてくれている。おかげで少し落ち着いた。
「それで、鬱くんはどこに？」
「保健室……エーミール？」
「なるほど」
「え、えーみーる…」
「ん？」
「お、怒ってる…？」
さっきまで優しかった彼の顔はどこにもない
「とっても」
そこには青筋を立てて怒ってるエーミールだけだった。こんなエーミール見たいことない。鬱先輩逃げて、殺されちゃう
○＊・・＊○
「待っ！エーミール待って！！」
「待てへん。失礼します」
「し、しつれいしま、エーミール！」
ずかずかと私の制止の声を無視して廊下を進み、保健室の扉を開けたエーミール。礼儀正しく失礼しますは必ず言うんだもんな。釣られて私も言ってしまった。そうして保健室の扉を開けると、ロボロくんに詰め寄られている鬱先輩が痛そうに私に殴られた頬を抑えながらベッドにいた。
「鬱君」
やばい、本当にやばい
思い切りエーミールのシャツを引っ張るけどビクともしない。
エーミールはベッドの淵まで行き、鬱先輩の胸ぐらを思いっきり掴み上げた
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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