はじめてだったんですよ ページ14
時間は案外すぐに過ぎ去るもので、鬱先輩も特に何も言ってくることはなく、そのまま終了時刻目前となった。もう外は夕日が顔を覗かせていて、赤い。
「(…そろそろ起こした方がいいよね…)」
先生が来る前に起こしておかないと先生に怒られてしまうもしれない。
私はそう思って気は進まないが椅子から腰を上げてベッドの方へと行く。鬱先輩は2つあるベッドのうち、手前のベッドで眠っていた。静かに寝ていて、寝息すらも聞こえてこない。死んでるみたい。
「鬱先輩、起きてください」
私はポンポンと先輩の腕を軽く叩き先輩を起こす。「んん…」と身を捩る先輩は、しばらく閉じられていた目をゆっくりと開けた。
「…んー…」
「もうすぐ時間です。先生来ますよ」
「……」
まだ眠いのかな、返事がない。まあ結構寝てたし、頭もしっかり覚醒するまで時間がかかるのかも。なら起こしてあげて正解だったな…と思っていたら、がららと保健室の扉が開いた。
「すんませーん怪我したんですけど…」
「…あ、ロボロくんだ」
「あ、A。…そうか委員会やったんやっけ？」
「うん、そー。怪我したの？手当…」
扉を開けたのはロボロくんで、弓道着に身を包み肘をむき出しにやってきた。肘は擦ったような跡があって血が出ている。痛そうだと慌てて手当すべくベッドから離れようとしたら、突然後ろに手が引っ張られる。
あまりに突然のことすぎて全く状況が追いつかなかったが、ガシッと何かに支えられて、そのまま唇になにか。
「…な！？」
「…んー、目覚めのチュー…」
「 」
鬱先輩の顔が、そこにあった。
眠いのか目がまだとろりとしている鬱先輩はもしかして寝惚けていたのかもしれない。いつも目覚めのチューをしてくれる女の子に起こされていたのかもしれない。
でも、
だからって
「っ痛ぁ゛！？」
鬱先輩がそんな声を上げた。そのまま先輩の腕が私の肩から離れて、私は先輩の膝の上にぽすんと体が落ちた。
「ッ〜！！なにすん…！！」
「なにすんねんはコッチのセリフです゛ッッ！！！！」
ごしごしごしごしごし
唇が取れてしまうのではないかという勢いで擦る。でも擦っても擦ってもさっきの柔らかい、でもどこかカサついてる、そんな感触は消えてくれない。
「ッ…はじめてだったのに…」
「A…」
後ろからロボロくんの声が聞こえるが無視だ。
「世の女が全員お前゛とのキスで喜ぶと思う゛なよぉ゛お゛っ！！！」
そういって保健室から勢いよく飛び出した
→
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。9ページの夢主さんの「はい、わかりました。」というセリフが「はい、わかりまし。」となっています。確認お願いします。 (2020年6月11日 23時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - この作品のコネシマがとても大好きです。これからも陰ながら応援しております。 (2020年2月3日 16時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ……続きをぉぉぉぉぉぉぉぉおおお(´；ω；｀)そして好きです← (2020年1月6日 6時) (レス) id: 4a50da7845 (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - 大好きです。(((唐突 (2019年11月21日 3時) (レス) id: 87e6a0aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
無能 菜月チャンネル(プロフ) - きたぁ。。 (2019年10月8日 23時) (レス) id: ac1a9cdc00 (このIDを非表示/違反報告)
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