貴方と私の延長戦 ページ42
次の週の学校がある朝。私は珍しく早起きして、学校に行った。
コネシマくんと鬱先輩の下駄箱に手紙を入れるためだ。
早すぎたせいか、さすがに校門のところに鬱先輩はいなかった。むしろその方が都合が良いので有難い。
鬱先輩の下駄箱を探して手紙を入れる。内容は今日の放課後、屋上に来てくださいと言った内容のものだ。私の名前も書いたからちゃんと来てくれるとは思う。
次はコネシマくんの下駄箱を探そう振り返ったら見覚えのある金髪頭がいて心臓が飛び跳ねた。
「ビョエエエエア！！！！」
「なんちゅー声だしとんねん。おはよう」
「お、おは、おはおは、おはっ」
「コミュ障か」
コミュ障だよ！とツッコミはできず、そこにはコネシマくんがいた。
「鬱の下駄箱になに入れてん」
「あっ、えっと、」
「手紙……ラブレターでも入れたんか？」
嫌味だろうなというのは分かった。彼に全てを話している以上、わたしが鬱先輩にラブレターを渡すなんてあり得ない。
「違うよ」
「じゃあなんなん」
「……放課後、お話ししたいと思って」
「…やっぱラブレターやん」
「こ、コネシマ君にも同じやつ！…書いてるもん」
そういってコネシマくんの目の前にコネシマくん宛の手紙を突き出した。
「…あの、わたし、この間のこと、ちゃんと話したくて」
大丈夫、あれだけ家でたくさん練習した。大丈夫、大丈夫……練習通りに言うだけだ。
そうしてわたしはコネシマくんの目をしっかり捉えながら口を開いた。
「まず、最初に、わたしはコネシマくんが嫌いじゃないです」
「…おう」
「好きです。大好きです」
「…」
「でも、それは、多分コネシマくんと同じ好きじゃ、ないです」
「……知ってる」
「…、中学の頃「友達になってくれ」って言われたのすごく、うれしかった。コネシマくんがはじめての友達だったから」
「……」
「だから、友達として、わたしはコネシマくんのことが、大好きです。それ以上では、みてないです」
「……」
「……だから、ごめんなさい」
「………」
「色々考えた。いっぱい悩んだ。…でもやっぱり、お友達だと思ったの」
「…そうか」
「…それで、ココからは都合の良い、私の、気持ちなんですけど」
「…」
「………これからも、おともだちで、いてください…」
泣いちゃダメだ。私なんか全然悲しくない。
コネシマくんの方がもっと辛くてしんどいんだ。泣いちゃダメだ。
そんな涙を堪える私を、コネシマくんは見つめた後、プッと吹き出して笑った
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花奈 - 更新再開されてとっても嬉しいです！！！！！今後も楽しみにしてますTT (2021年6月21日 18時) (
レス) id: b9fb555fa9 (このIDを非表示/違反報告)
海猫 - 全部一気に見ました！神作品ありがとうございます!これからの投稿も楽しみにしてますね! (2021年3月21日 13時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とても面白いです！！誤字を指摘させていただくのですが『スイスとオーストラリア』ではなく『スイスとオーストリア』ではないでしょうか。違ったらごめんなさい。応援しています！！ (2021年3月20日 21時) (レス) id: 148d6a46f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 全部一気に読んでしまいました…。本当に最高です！もう語彙力がなくて私のこの感情を作者様に伝えることができないのが本当に申し訳ないと思うほどこの作品は素晴らしすぎます…無料で読んでよかったんですかこれ…。本当にありがとうございました…感無量です… (2020年12月21日 16時) (レス) id: 1e1f442bdf (このIDを非表示/違反報告)
よこはま(プロフ) - ムニエルさん» ムニエルさんありがとうございます！全員実る世界線書くつもりなので最後までよろしくお願いします！ (2020年7月8日 19時) (レス) id: 51d00fe6bf (このIDを非表示/違反報告)
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