○ ページ32
そのまま屋上で昼食を食べていたら、ロボロくんが屋上の扉をガチャリと開けてやってきた。
きょろきょろと屋上を見渡した後に、私達を見つけて近寄ってくる。
「よーお前ら」
「あ、先輩。おはざーす」
「っす」
「ロボロくんこんにちは」
「こんにちは。なあ鬱見んかった？」
「いや、見てないです」
「まじかー」
アイツまじどこ行った……とため息をつくロボロくん。彼はなにかと鬱先輩を探していたり、鬱先輩と行動を共にしていることが多い気がする。そのせいかよくため息をついているけど。
「何かあったんッスか？」
「先生が鬱を探してこいって言うから探しとった。どーせまたなんかやらかしたんやろけど」
「鬱先輩……」
「…！」
ハッと気づいた時には時既に遅しで、シャオロンくんは忘れかけていたはずの鬱先輩のことを思い出し、どんどんと表情が曇っていく。やばい！と思った私は紙袋からクッキーを取り出し、ロボロくん用のクッキーをロボロくんに手渡す。
「あ、ロボロくん！これロボロくんへのバレンタインチョコ！クッキーだけど…！」
「…え！まじ！？」
「うん！あ、あと鬱先輩なら中庭にいた気がするよ！行ってみたら居るかも！」
「中庭か！なるほどな、ありがとう！」
そういってロボロくんの背を見送り、なんとか鬱先輩から話題を逸らそうと頭をひねった。
「このクッキー、ちゃんと美味しかったかなあ？！」
「なんや突然。味見しとらんのか」
「いやしたけど…口に合うかなって…」
「大丈夫やろ」
シャオロンくんが全無視なことを気にしなければ会話は出来ているはず(これを人はできていないという)。
コネシマくんが私のクッキーを一枚取って口に運んでくれた。
「うん、美味い」
「そ、そっか！よかった、無理してない？」
「してへん」
「よかったあ。みんなの口に合うかなって心配だったから…」
「鬱先輩の口にも？」
「…………………………」
「は？なんの話や」
シャオロンくんって実は少し面倒なのではないかと思ってしまった。その後コネシマくんにも鬱先輩の一連の話をしてしまって、何故かキレて殴りに行こうとしていたのを止めたし、シャオロンくんに関しては朝と違ってずっと一人で蹲って何かをボソボソと呟いていて、二人を宥めるのに昼休みを費やし、私は5限の授業が始まる頃には疲れ果ててしまって寝てしまった。
「私の授業で寝るとはいい度胸やね」
その時担当教員だったエーミールがめちゃくちゃ怖かった。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花奈 - 更新再開されてとっても嬉しいです！！！！！今後も楽しみにしてますTT (2021年6月21日 18時) (
レス) id: b9fb555fa9 (このIDを非表示/違反報告)
海猫 - 全部一気に見ました！神作品ありがとうございます!これからの投稿も楽しみにしてますね! (2021年3月21日 13時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とても面白いです！！誤字を指摘させていただくのですが『スイスとオーストラリア』ではなく『スイスとオーストリア』ではないでしょうか。違ったらごめんなさい。応援しています！！ (2021年3月20日 21時) (レス) id: 148d6a46f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 全部一気に読んでしまいました…。本当に最高です！もう語彙力がなくて私のこの感情を作者様に伝えることができないのが本当に申し訳ないと思うほどこの作品は素晴らしすぎます…無料で読んでよかったんですかこれ…。本当にありがとうございました…感無量です… (2020年12月21日 16時) (レス) id: 1e1f442bdf (このIDを非表示/違反報告)
よこはま(プロフ) - ムニエルさん» ムニエルさんありがとうございます！全員実る世界線書くつもりなので最後までよろしくお願いします！ (2020年7月8日 19時) (レス) id: 51d00fe6bf (このIDを非表示/違反報告)
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