だって恋愛対象じゃなくない？ ページ22
その日の部活のうちに、ロボロくんが何故あんなにボロボロだったのかは教えてくれなかった。シャオロンくんと二人してかなり問い詰めたのだが、上手くあしらわれてしまった。
そして帰りの時間、シャオロンくんの着替えに時間がかかっているとき、私はロボロくんに呼ばれて弓道場を出た。
「A、鬱になんか変なことされてへんか？」
「……されてるかと言えばされてる」
変なことというか、鬱先輩は多分真っ直ぐな人なんだ…と自分の中で納得させている状態だ。今日も朝校門から校内までのお見送りの時に「他の女の人は…」とふったら「今はAちゃんだけ好き」と言っていて過去のことはなかったことにしていた。それに本当にどうやら、今は他の女の人との縁を切っているようだったし、1か100の、極端な人なんだと思う。
そんな私の返答に、ロボロくんはため息をついた。
「…今日、部活行こおもたら鬱にAのことめっちゃ聞かれてな」
「えっ」
「身長とか体重とか……す、スリーサイズとか…あと、昔のこととかな…」
「なんでまた…」
「そんなん知らんけど！ってあしらっとってんけど、マジでしつこいねんなアイツ…」
はぁぁあ…とまた、彼は大きなため息をついた。
なるほど、ロボロくんは鬱先輩に拷問の刑に処されていたということか…強いな…。
「どうせ明日も会うから、言っとくね。わたしから」
「いやええよ、そんなことより、明日も会うってなに？」
「毎朝校門で待たれてて…教室まで送られる」
「は！？……アイツマジで…」
ロボロくんはそこまで言葉を発したかと思えば、しばらく顎に手を当てて何かを考え始め、ようやく口を開いたかと思えば「コネシマとかシャオロンに言った？」と聞かれた。
「教室に送られるの、シャオロンくんは見てるけど、コネシマくんは知らないじゃないかな…」
「絶対言うたらアカンで」
「え？うん…」
「(殺傷事件になる……)」
ロボロくんがそんなことを考えているなんてつゆ知らず。別にこんな話、したって面白くもないし…するつもりも最初からなかった…と思いながら目の前でブツブツとなにか言い始めるロボロくんを見つめた。
「…俺からも鬱に言っとくから。…聞くかわからんけど」
「うん、ありがと…ごめんね」
「気にせんでええで。もっと頼ってええんやし」
「……えへへ、なんかおにいちゃんみたい」
そういうとロボロくんは微妙な顔をした。
「(お兄ちゃんじゃあかんくない……？)」
「？？？」
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花奈 - 更新再開されてとっても嬉しいです！！！！！今後も楽しみにしてますTT (2021年6月21日 18時) (
レス) id: b9fb555fa9 (このIDを非表示/違反報告)
海猫 - 全部一気に見ました！神作品ありがとうございます!これからの投稿も楽しみにしてますね! (2021年3月21日 13時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とても面白いです！！誤字を指摘させていただくのですが『スイスとオーストラリア』ではなく『スイスとオーストリア』ではないでしょうか。違ったらごめんなさい。応援しています！！ (2021年3月20日 21時) (レス) id: 148d6a46f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 全部一気に読んでしまいました…。本当に最高です！もう語彙力がなくて私のこの感情を作者様に伝えることができないのが本当に申し訳ないと思うほどこの作品は素晴らしすぎます…無料で読んでよかったんですかこれ…。本当にありがとうございました…感無量です… (2020年12月21日 16時) (レス) id: 1e1f442bdf (このIDを非表示/違反報告)
よこはま(プロフ) - ムニエルさん» ムニエルさんありがとうございます！全員実る世界線書くつもりなので最後までよろしくお願いします！ (2020年7月8日 19時) (レス) id: 51d00fe6bf (このIDを非表示/違反報告)
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