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「せんぱーいおはようございます〜」
「…ああ、おはよう」
店が開く前にスタッフは出勤する。土曜日、俺は休日明けの出勤に眠気を感じながら欠伸をかみしめつつ、出勤した。
アルバイトの中でも早めに出勤してくるAは、ぴょこんと頭に寝癖をつけながらやってきた。気の抜ける挨拶をすな。
「暑くなってきましたねー」
「せやな」
そんな会話をしながらミーティングまで時間を潰す。俺は携帯を見ながらネットサーフィンをした。ツイッター見よ。
「先輩見てー」
「あん?」
「昨日のトントンさんのツイート」
「…おう」
「かわいい…」
「どこが??」
「まず敬語なところ」
「はあ」
「んで眠れないところ」
「はい」
「30分前から起きてて、このツイートをするまで寝よう寝ようって頑張ってるってことでしょ?爆萌えおじさん…」
「はいはい…」
「安眠枕とか送ってあげたい…」
「お前今日も元気やな」
見せられた画面は俺が昨日、いや今日の夜中、3時くらいに、眠れなくなってしまったのでツイートしたもの。リツイートもいいねもされているソレは、まあ、自分でツイートしたから別に特に何も思わない。
「3時とか寝てたから一番最初にリツイートいいねリプライ出来なかった」
「何それこわい…」
「なんで!?推しにリプして何が悪い!」
「ちなみにどれなんアカウント、お前のやつ」
「これです!」
アットマーク覚えとこ。あとで見たろ
アイコンがフリー素材の豚のそのアイコンは、なんとフォローが俺だけという恐怖のアカウント。なにこれ…ああでも、こんなアカウントからリプ来てんの見たことある気がするわ
「トントンさんリプ用垢」
「何それ、必要か?」
「当たり前でしょ!だって普段の私のツイートを見せるわけにもいかない、別垢使って汚物は晒さないようにするのが常識」
ドヤ顔で言うがなかなか怖い女やなあ、顔はええのに。と思いながら、ツイッターを今一度見る。画面を絶対見られないようにトントンのアカウントを開いてアットーマを打ち込んでいく。出て来た。怖い。昔は返してたけど、今は返してないから片思いフォローのようだ。返しとくか、と軽い気持ちでフォローボタンを押した。
「…うん?」
「そろそろミーティング時間やな」
「待って?」
「どしたん」
あくまで知らないふり、知らないふり
「なん、ん?どうした突然この男」
「誰が?」
「死」
そういってAはその日、使い物にならなかった。
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まる。 - 予想外すぎて(笑)大笑いしてしまいました!ありがとうございました! (2023年1月24日 12時) (レス) @page46 id: f4ad072890 (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - 面白い作品ありがとうございますwwwwまさかのストーカー…!?wwww面白すぎますっwww (2020年11月24日 2時) (レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうなんこつ - 遅れましたが完結おめでとうございます! まさかのカミングアウト(?)すぎて10秒位固まりましたw とっっっても素敵な作品をありがとうございました! (2019年9月24日 0時) (レス) id: 90426beaf5 (このIDを非表示/違反報告)
明浄(プロフ) - 初めまして!完結おめでとうございます。とても素晴らしい作品をありがとうございました!!! (2019年9月20日 0時) (レス) id: c1ca5eb15a (このIDを非表示/違反報告)
こにまる(プロフ) - 連載完結お疲れ様です!楽しく読まさせていただきました!とっても最高でした、ありがとうございます! (2019年9月19日 22時) (レス) id: 925e5fcb5d (このIDを非表示/違反報告)
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