第六話 今更 ページ6
【あれ…?あ、ちょっとすんません原因が見つかるまで休憩の方お願いします!】
【え?あはい】
【僕は全然いいですけど…】
【ホントごめん!それじゃあ!】
【じゃあ…それまで僕らで雑談でもしますか××××さん】
【そうですね!いやいーそれにしても×××さん___】
「…!」
目を覚ますと、懐かしいリビングに一人の少女の顔が視界に入った。
やはりイタリーのことも、この少女も現実ということらしい。
というか、さっきの夢は一体…?
起き上がると、自分はソファに寝かされていたことが分かる。
「あ、起きたよ!元気!」
「良かった。俺らに話しかけた瞬間、急に倒れるからビックリしたよ。」
「それはすまない。あー…ところでだが、イタリー…あのアホ毛頭の男は?」
「イタちゃんのこと?イタちゃんはキッチンでパスタ茹でてる」
男へ廊下への扉を指差して答えた。
ていうか…
「イ、イタちゃん?」
「うん!イタちゃん!あだ名だよ。あ!そういえば貴方の名前は?私は、ひーちゃん!こっちは元気!」
「うん、俺は金成元気。今はーやってない…?けど、トレーナーだよ。よろしく、気軽に元気って呼んでくれ。あ、今はこんな格好だけど人間だよ」
「たまに元気頭もヤギになっちゃうの」と、ひ、ひーちゃん?が付け加える。
「わ、私は縁道A。ここの家主、だ。よろしく」
二人と自己紹介をし、握手を交わす。……男の差し出されたもふもふの手はやけに作り物にしては完成度が高すぎるものだった。
「ところでずっと気になってたのだが…二人はどうやってここに?」
「世界中をずっと二人で歩いてたの。そしたら、新しい人工物を見つけて、二人で探索してたら…」
「ある扉から、わずかに人の声が聞こえたんだ。もしかしたら、人がいるかもって開けたらそこあんたたちがいたんだ」
なるほど、「新しい人工物」「もしかしたら人がいるかも」
恐らくだが、この二人の元いた世界は、人間があまりいない世界なのかもしれない。
もしくは___いないのか
これまたありえない話だが、
それ以前にありえない出来事が今目の前にしてあるからもうツッコむのも疲れて、一周回って冷静になろうとなるべく頑張っている。
ズキズキとまた痛む頭を片手で覆う
段々この超常現象に慣れてきた自分が怖い。
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作者名:ネロ | 作成日時:2022年6月11日 19時