○先生 ページ20
夕陽が差し込む教室に、2人きり
それだけで人はロマンスを感じるものだ
先生と、私
無理なことくらい、知ってる
叶わない恋だってことくらい
『おい、A』
「え？」
『手止まってる』
”恋の病のせいだよ”
なんて言ったら先生はどんな顔するだろう
きっといつもみたいに、はあ？って言った後
ちょっと眉間に皺を寄せて
”くだらね”
そう言ってクスリと笑うんだろう
「あっ、」
気づけば先生はテキストを取り上げて離れたところでこちらを見ていた
『いつもに増して上の空だな』
「考え事」
『言ってみ』
「先生に話せるほど安易な事じゃないの」
『ほーう？恋の悩みか』
「はっ…」
『いや図星かよ』
ハハッと白い歯を見せて笑ってる姿がちょっと得意げでやっぱりかっこよくて悔しかった
「うるさい」
『青春ってやつか』
先生にもそんな時代あったなー、なんて懐かしそうに目を細める先生
先生にとっては恋なんて”懐かしい”ものなんだ
『Aが好きなのってさ』
いきなり名前呼びになってドキッとしたけどなかったことにして先生を見る
『もしかして手越？』
グラウンドを見ながら先生がポツリという
その視線の先には元気にサッカーをする手越が映ってるんだろう
先生の元々綺麗な横顔に夕陽が差して、まるで美術館のギリシア彫刻のように見える
その視線が少し憂えげなのは気のせいかな
「…んなわけないでしょ」
『じゃ、誰？』
「単刀直入だね、先生」
『遠回しに聞いたって伝わらないだろ』
「今私のことバカにした」
『いいから早く答えろよ』
手伝ってやるから、って笑う
そんな親切も、私には苦しいだけだ
「先生だよ」
『え？』
「なんてね」
『ったく。焦るわ』
私は弱い。だから伝える勇気がない
現に、今の”焦るわ”でフラれたようなもの。
「先生、」
『ん、？』
「恋ってなんだと思う？」
『…急にどうした』
「いや、別に…」
『それを知ってどうすんの』
「なんとなく聞いただけ、忘れて」
暫く、2人を沈黙が包んだ
『知りたい？』
先生の声のする方を見る
「うん、」
先生はスタスタとこちらにやってきて
顎を掴み、そのまま唇を重ねた
ゆっくりゆっくり、味わうかのように唇が交わる
『こゆこと』
誰にも言うなよ、と額にキスをした先生にまた、恋心は募るばかりだった
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- n e r o -(プロフ) - ごはん たたさん» Twitterは諸事情により…泣 題名合ってます！笑 あの作品も随時サイトで更新してるのでよかったら是非見てください〜！ (2017年6月3日 15時) (
レス) id: 93d567dc7b (このIDを非表示/違反報告)
ごはん たた(プロフ) - - n e r o -さん» ツイッター辞めちゃったんですか ?; 私、題名合ってるか分かんないんですけど、「あの日僕は天使の羽を」みたいな小説書いてましたよね ?( あの頃からめっちゃ好きでした !! 見ていきます、！ (2017年5月29日 15時) (レス) id: abe2a7a0a0 (このIDを非表示/違反報告)
- n e r o -(プロフ) - ごはん たたさん» そうです〜！憧れだなんてとんでもない汗 よかったらぜひ見てください〜！ (2017年5月28日 19時) (レス) id: 93d567dc7b (このIDを非表示/違反報告)
ごはん たた(プロフ) - ツイッターのneroさんですか !? わわ、めっちゃ憧れです…!! 頑張って下さい、応援してます !! (2017年5月28日 18時) (レス) id: abe2a7a0a0 (このIDを非表示/違反報告)
- n e r o -(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！よろしくお願いします〜！ (2017年5月24日 17時) (レス) id: 93d567dc7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：- n e r o - | 作成日時：2017年5月24日 7時
