＊ ページ6
「アンタ、餌やってみねえ？」
『えっ･･････いいの？！』
「特別な？」
フフンッと笑って、そんな恩着せがましい言い方をする俺にも、アイツは満面の笑みを向ける
(俺がするよりコイツがやった方が ウサギも大人しそうだし)
本当は こんなん客にさせる事じゃねえけど、まあ これも接客の一環って事で
『嬉しいっ！』
「！」
･･････心の綺麗なヤツ。
『かわいい〜』
女はウサギを抱いたまま餌を与えていた。丁度良いやと、俺はその間にウサギのケージを掃除する
「アンタ、いつも見てるだけだな」
何気なく口にしただけのその言葉に、女はハッ！！と顔を青くした
『わッ･･･私 そんなお金に余裕なくて･･･見てるだけの客なんて迷惑！？』
「いやいいけど。別に怒ってるわけじゃねーし」
『あ、そ、そう･･･』
ホッと息をついたコイツに
俺は笑いが込み上げてきて、プッと吹き出した
「お前って、バカ真面目っ･･･」
『かっ、からかわないでよ！！』
もうっ！！と顔を赤くするコイツに、俺はまた笑った
さっきと逆だな
「好きなだけいれば？」
『！』
そう言うと、女は今日イチの笑顔を見せた
『羽宮 優しい！ありがとう！！』
「････はっ？！」
ガンッ！！
「ってェ！！」
ケージに頭を突っ込んでいた俺は、思わず上に頭をぶつけた。不良女は、そんな俺を見てまた笑っていたが、俺はそれどこじゃない
(や、優しい･･･？俺が？)
ちょっと待て。
待ってくれ
優しいとか
俺、生まれて初めて言われた(衝撃の事実)
·
───
─
「一虎くん、ようやく店員がサマになってきましたね」
閉店後、店内の掃除をしていると千冬に言われた
「そうか？」
「今日はコミュ力低い割に 頑張ってお客さんと会話出来てたじゃないですか」
「お前ホント一言多いわ」
「まあAちゃんが優しいからでしょうけど」
「A･･･？」
誰だそれ。
「アンタが今日 餌やり押し付けてた相手ですよ。名前も知らなかったんスか？」
「ふーん･･･Aって言うのか、あの不良」
「矢野Aちゃんって言うらしいですよ。今年で21歳だって、若いッスよねー」
「つーか何でお前は知ってんだよ。ナンパかー？」
「コミュニケーションです」
「あっそ」
矢野A･･･か
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 197人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綾林檎 - あいこさん» とっても嬉しいです！ありがとうございます (2021年11月5日 8時) (
レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
あいこ(プロフ) - まだ途中までしか読んでないですが、キュンキュンしちゃいます！ (2021年11月2日 20時) (レス) id: 2a2413d9a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾林檎 | 作成日時：2021年10月20日 20時
