魔法がとけるKissの味 (ページ6)

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俺の家の隣に大きな病院がある。

大きな柵で囲まれていて

昔からあそこには近づいてはいけない。
やばい奴らが暮らしている。

そう言われてきた。

病院って言っても普通の人だと入れない。

不治の病や診断不可能な病や感染症の人たち
がいる。あと、死を待つだけの人。

それに比べて俺は運動神経も良く
健康バッチリだ。
風邪だってそうひかない。

でも好奇心のせいか気がついたら

あそこの中の彼女が好きになっていった…

窓の淵に座って。

今日も薄明るい月の光に照らされて

君の美しい顔を見ながら

赤い唇にキスをおとす。

真っ白な肌が今までの生活をものがたる。

『ベキョナと一緒なら死んでもいい。

辛くて長く生きるよりベキョナと過ごして幸せのまま死にたい。』

彼女が一度だけ口にしたこの言葉。

俺はそれに相応する人間になりたい。

だから今日も歌を歌う前に君を愛す。
息もするのも忘れてお互いを求めあいたい。

卑劣な音が響いたって、

俺が君の病気になったって

そんなものどうでもいい。

関係ない。

病気になって何もかも失ったって

君と死ねることは最高に名誉なこと。

最後の一秒まで一緒にいたい人。
瞬間まで愛し合える人。

それが君なんだ。

こんなに愛したのは君が初めて。

『…いひひ。

ベキョナ…私、今めっちゃくちゃ幸せ』

でも
君を本当は失いたくないんだよ。

BH「俺も」

でもそれは君を傷付けるだけだから

そんなワガママ絶対に言わないし

感ずかれることがないようにしている。

欲張ってはいけない、

これが君へ愛の形。

そう。

僕らの幸せの形なんだ。