魔法がとけるKissの味 (ページ12)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:13,454 hit

ーページ12

初めて愛したのは

本当の同い年だった農家の彼。

まだ機械がなくて皆助け合って、自分の力で暮らしてた。

歳をとる彼と、とらない私。

二十代前半で止まったまま
おじいさんになった彼を看取った。

何度も手を切ったり死のうとしても血は出てこない。

涙しか出なかった。

２番目に愛した彼は皇帝だった。

沢山の女の人に囲まれて、私は第三夫人だった

その人も看取って泣いた。

６番目の彼は今までの中で１番愛した。

歳をとらない私を初めて受け入れて
会いに来るよと約束してくれた。

その時に100年待ってますと笑顔で返して見送った。

彼が亡くなって90年後、彼を見つけた。

『ジミナ…！』

涙を流しながら抱きつく私を

「誰ですかっっ！！やめてください！！」

はね飛ばした。

声も体も喋り方もジミナだったのに、

彼は彼じゃなかった。

何度も流した涙は辛くて

その後も何人もの人を愛し看取ってきたが
泣くことはなかった。

ずっと死にたかった。

愛する人に看取られたかった
愛する人と共に死にたかった。

生きている方が地獄だった。

そして、今

TH「Aちゃん！俺だけはおじいちゃんに

なったね！」

１０何人目の彼を愛している。

『テヒョンはいつまででもカッコいいね』

TH「Aちゃんはずぅーーと可愛い」

こんな事してたって時間の速度は変わらず
彼とのお別れまで来てしまった。

TH「Aちゃんより永く生きたかった。

一人にしたくなかっ…たっ」

『大丈夫だよ。私は。』

TH「俺は忘れられないから。

絶対に会いに行く。信じて…」

『忘れてるわ、きっと…』

ジミナを思い出してしまう。

『前にもいたのよ。』

TH「…じゃあソイツはバカだよ…

こんないい女を手放す…なんてね…」

『。テヒョン…』

テヒョンはずるい。

泣きそうになるが顔を上にあげて耐える。

『100年。100年までに会いに来て…』

TH「イヒヒ。おーけ！

Aちゃん大好き！」

テヒョンは布団を被って寝息を立てた時

その寝息は少しずつ小さくなって

ゆっくりと聞こえなくなった。