愛と恋の壁【熱波夏彦】 (ページ22)

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story20 ページ22

酒を飲んでるってのに

酔ってるのはヒートだけ

「微美さんはAちゃんの母親」

うそだろ？

さっきから酔いが醒めてくんだろ。

頭が整理つかないから

缶ビールをプシュと音をたて開けた

勢いよく酒を胃の中に流し込んだ

「あくまで俺の推定」

「おい！ふざけんな！！」

「ふざけてない。つーか、１７年も前の事を鮮明に覚えてるほうが無理だろ」

また酒を胃の中に勢いよく流し込んだ

何も考えられないように。

「１７年も前の写真を持ってる事に感謝しろよ。今時、写真持ってる人間も少ないんだし現代の人間は写真じゃなくてデータで持ってるって」

「そうだな」

ヒートは溜息まじりで言った

「姉さんなら覚えてるんじゃない？」

「瞳子姉さんが？」

「うん。俺らは覚えてなくても姉さんなら学生だったと思うから」

「そうだな」

けど、瞳子姉さんに余計なこと

追及されねぇか？

そんな事をするような人には見えないから

大丈夫だとは思うが。

「俺らは仕事がある。時間合わせるのは難しいから来月の予定がわかったら連絡な」

「あぁ」

「今日は寝よ。誕生会とかで疲れたし」

お互いソファの上に横になって

その日は寝た