#17 ページ18
ネフライトが消えてからどのぐらい経ったか。
そんなことすら、ジェードは思い出せないでいた。
ジェードは何度も自分に言い聞かせた。
＿大丈夫、必ずいつかこうなるんだ、もう何度も経験した、いつもと…
いつもと同じ?
「ジェード!」
「あっ…ああ、ルチルか。すまない。」
「このところぼーっとし過ぎです。何かあったのですか?」
「いや、大丈夫だ。」
大丈夫じゃないくせに。
自分の本心を、ジェードは隠した。
ジェードの心は本音をさらけ出すことを拒んだ。
ただひとりそれが許されるとすれば、それは…
不意に、ネフライトの笑顔を思い出した。
しつこく自分に付きまとって、
何度からかっても飽き足らず、
悩みの種を振り撒いていった、あの笑顔。
ネフライトに悩まされたのはジェードだけではない。
毎日誰もに笑顔を見せて困らせていった。
それが突然、消えた。
何の予兆もなく。唐突に。
＿なんだ、全然いつもと同じじゃないな。
目の前をユキチョウが呑気に飛んでいった。
ジェードはそれを目で追った。
冬が、来ようとしていた。
「アイツが居ないまま、冬を越すのか」
ジェードはひとりで呟いた。
「寂しいのですか?あなたが?」
「我ながら似合わないとは思うが…」
ルチルは空を見上げた。
外には秋の渇いた空気が漂っている。
曇り空が果てしなく続き、月人が来る様子はない。
「私、ネフライトは連れ去られたのではないと思います」
「…はっ?」
突然ルチルが話し始めた。
しかもその内容は、突拍子のないものだ。
「いつもの手紙は無かったのでしょう?それにネフライトも抵抗はするはずです。
月人が来たなら戦闘にはなったことでしょう。それなのに誰も起きなかった…不自然です。」
ルチルは淡々と語る。
「ネフライトは、戦闘もできない状況で、音を立てずに何かしらのトラブルに遭遇したのでは?」
「…謎が多いな」
言われてみれば、不自然である。
ネフライトがおとなしく連れ去られるはずがない。
音がしたなら、隣で寝ていたジェードが起きたはず。
しかしルチルの考えは憶測に過ぎず、根拠が無さすぎる。
「おや、まさかどこぞの月人マニアのように原因究明でもするつもりですか?」
それだけはおやめなさい、とルチルが言った。
「今の貴方がすべきことはまずゆっくり休むことです。」
「ああ…そうだな」
ジェードはふと、嫌な気持ちが薄れたことに気づいた。
ジェードは、またネフライトの笑顔に救われた気がした。
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ふるる - 名無し77631号さん» ありがとうございます!明日の夜から旅行でしばらく更新できないので、今日明日中に仕上げたいと思っています! (2018年8月7日 14時) (
レス) id: 555bcc1403 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77631号(プロフ) - 更新お疲れ様です。頑張ってください (2018年8月7日 12時) (レス) id: c8866e82a1 (このIDを非表示/違反報告)
ふるる - ハル賢さん» コメントありがとうございますあああああああああ(爆散)ネフライトちゃんは年上石の中でもかわいい部類なので(ただし議長大好き)更新頑張ります!! (2018年8月1日 17時) (レス) id: 5af022afa3 (このIDを非表示/違反報告)
ハル賢(プロフ) - 皆のことを考えているネフライトちゃん、とっても可愛いです！これからも更新頑張って下さい！応援しています！ (2018年7月31日 21時) (レス) id: 6c4eb3eb16 (このIDを非表示/違反報告)
ふるる - ルカさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年6月28日 17時) (レス) id: 5af022afa3 (このIDを非表示/違反報告)
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