NCTのヌナ 2 (ページ28)

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KS「早く行きなって！」

「嫌だ」

KS「はぁ…エンディングの間に勝手に帰るわけじゃないし…後で会えるんだよ？」

「それなら…」

KS「何これ」

「映像通話。これでファンの子達見てあげて。お願い」

KS「……分かったから早く行きな」

楽屋からステージ裏まで本気で走った。何も知らないスタッフさんはエラ何でここに居るの！早く行け！と叫んでいる。だから走ってるじゃん！

ST「エラ！ギリギリセーフ！行って来い！」

事前に話しておいたスタッフからマイクを受け取ってステージに出る

幸い全員がメインステージに動いていたお陰で私に気付いたファンは多くなかった

そんな中、事情を話してあった2人は小さな歓声に気付いて花道に戻って来た

JO「エラ、どうしたのそれ」

「スジョンと電話してるの。絶対に見て欲しいから」

SE「結局エラが折れて出てきたんだ(笑)」

「これは許されたの」

JO「行こうか。俺たちついてるから」

「クリスタル行くよ～」

3人で客席を見渡してスジョンのファンを探す。勿論自分たちのファンにも忘れずに手を振る

「あ！いた！クリスタルと電話してますよ～」

クリスタルのボードを持っていた女の子に声を掛けて画面を見せると驚きながらも手を振る女の子が可愛かった

スジョンも手を振っていて、ちょっと嬉しそうだった

SE「何で今日こんな事したの」

「……最後だと思った。スジョンがここに来るの」

JO「どういう事？」

「きっと来年は来ない。同じ事務所に居るかも分からない」

SE「まさか……」

「もう想像ついたでしょ。私の憶測だけどね」

f(x)先輩のステージが終わってスジョンは泣いていた

まるで最後のステージを惜しむかのように、静かに泣いていたのだ

親友のその姿を見て、何も気付かない訳がない

そんな事を知らない、今年もエンディングでクリスタルを見ることが出来ないファンの方々に何かしてあげたかった

まあ引きずり出すことは出来なかったけど…エンディングを見てくれただけでも良かった

「クリスタル、お疲れ様」

KS「……エラは何でも分かるんだね」

どこへ行っても私たちは親友だ。スジョンとAだから、それだけは変わらない

誰が何を言おうと私はスジョンの味方だ

KS「ありがとう、最後に見せてくれて」

そう言って切れた電話はとても呆気なくて、気を抜いたら泣いてしまいそうな程心が痛かった