studying＊寮にて ページ22
.
｢＿＿＿＿いらっしゃい、Aちゃん！｣
｢ど､どうも､いづみさん!｣
｢今日秋組はほとんど練習がないから､安心して万里くんといてくれていいからね｣
｢了解です､ありがとうございます!｣
あれからあっという間に週末になった｡
あの日､なぜか咲ちゃんまで寮についてきて､まるで私の親かのように劇団の人達に私のことを頼みこんでいた｡
おかげであれから色んな人が私に勉強を教えてくれるようになった｡
｢うっし､じゃあ始めるか｣
｢今日も宜しくお願いします｣
｢この前現代仮名遣いにはできるようになったから､今日は単語訳してみろまず動詞な｣
｢りょーかい!｣
この前まで今以上に古典は外国語だと認識していた私だったが､仮名遣いを直せるようになったことで､やっと日本語として少しは認識できるようになった｡
｢んじゃ1問目｡あさまし｣
｢ぁ､ぁ､さまし...あ､目覚ましかける!｣←
｢...あたらし｣
｢新しい｣
｢ありがたし｣
｢ありがとう｣
｢いみじ｣
｢ひもじい｣
｢片腹痛し｣
｢めっちゃ面白い｣
｢テメェさっきからふざけてんのかぶっ飛ばすぞ｣
｢なんですと!?｣
こっちはいたって真剣に答えているというのに､万里くんのコメカミはピクピクと青筋がたっていた｡
目からビームも出そう←
｢...よし､分かった｡今からこの問題集解いて分からなかった単語全部200回書きな｣
｢この問題集500語あるのに難題にも程がある!!｣
｢んじゃ留年か｣
｢なぁんかできる気がしてきたぞ!!｣
｢そーかよ､ならさっさとやれ｣
｢うぃ｣
＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
｢500問中3問ってなめてんのか｣
｢私はいつだって全力だよ!｣
｢全力でこれって逆にダメだろ｣
｢｣
497語を200回書きだから...全部で99400回書き!!?
私もう何もかけなくなるよ!!
絶望過ぎて一人撃沈していると､部屋にいづみさんが入ってきた｡
｢万里くん､そろそろ練習の時間なんだけどいける?｣
｢了解｡んじゃ後は紬さんに頼むか｣
｢その事なんだけど､Aちゃん｡気分転換に秋組の練習見ていかない!?｣
｢はっ!?｣
｢え､いいんですか!?｣
万里くんが頑張ってるものが見れるのか...
演劇を見る経験なんて初めてだ｡
すごく面白そう｡
｢私､見たいです!｣
私がそう言うと､いづみさんは優しい笑顔で笑いかけてくれた｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鏡花(プロフ) - 舞香さん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえて嬉しいです♪(*´∀｀)もっと面白い小説が書けるよう頑張ります! (2017年6月22日 7時) (
レス) id: f86b7d9880 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - この作品とても好きです！更新頑張って下さい！ (2017年6月21日 23時) (レス) id: b5d8d38cda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鏡花 | 作成日時：2017年5月23日 22時
