あなたを好きでもいいですか KS-2 (ページ36)

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68:"助けてオッパ" ページ36

今の音は…私が沈んだ音じゃない。

崖の上で髪留めをちらつかせていたナヨンさんが、足を滑らせた音

「頑張っててください、すぐ行きます！」

慌てて飛び込もうとすると後ろから聞こえてきた、

YR「Aオンニだめ!!!」

イェリちゃんの声。心配してついてきてくれてたんだ…でも、

「先輩方呼んできてっ、ナヨンさんが!!」

それだけ言い残して飛び込んだ。

泳ぎは苦手。50mを泳ぎきれるかどうか。それでも何とかがむしゃらにナヨンさんを追って体を沈めた。

「(苦しい…っ)」

でも、あと少しでナヨンさんの手に届く

手探りでなんとかナヨンさんらしき手を掴んで、残った力すべてを振り絞って岸らしきところに押しだした

これで助けられたはず…っ、

自分の体は…沈んでるけど…

思い切って水中で目を開けると、

「(あ…!!あれ、っ)」

キラッと光っているものを見つけた

潜るのってどうするんだろう…、

手を下に向けて、いっぱい足をバタバタさせて、キラキラに目掛けて体を沈めた

「(…っくるしい、)」

かなり潜ったところでいよいよ息が苦しくなってきたけど、戻り方も分からない

「(ごほっ、)」

水をいっぱい飲んでしまって、目の前が暗くなっていく、、

「(ギョンスオッパ…っ助けてください…っ)」

心の中でそう叫んだ時、

「(…っ!!)」

口に柔らかいものが当たって、空気が送り込まれた。

「(え…っ、)」

その感覚はすぐに離れて、でもまたしばらくすると…

背中に誰かの腕が回されて、明るい方へ体が上がっていく

もしかして…、ギョンスオッパ…?

そんなことを考えてながら、逞しい体に包まれたまま完全に意識を失った