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Aはオレの言葉に笑って返すけど、それが本当に笑っているのかさえ分からない。
知れば知るほどAの事を理解できると思っていたのに、距離が縮まれば縮まるほど解らない事が増えていくように思う。
「皆は何か言ってた？」
「ううん。でも多分、思う事はあると思う」
「忙しいから来れないだけだって、一応言っておいたんだけどなぁ」
「それでも、ユタヒョンの家族はたくさん来たから」
「悠太くんの家族は私の家族だよ」
「そうだけど、そうじゃないでしょ」
「皆が重く考えるような事じゃないのに」
Aは何の気も無くそう言うけど、本当はきっと別の所にある。
インタビューや取材でも、Aの話す家族の話はほとんど全てが「ユタヒョンの家族」についてだ。
両親の話を聞いたことがないわけじゃないけど、いつも「忙しいから」の一点張りで、そこから掘り下げることを避けている。
こうやって一緒にいる時間が長くなっても、連絡を取っている所は今まで一度も見たことがない。
練習生になる前から関係が上手くいってないとは噂で聞いていたけど、今も相変わらずらしい。
「寂しい？」
多分オレは、手当たり次第にAへ何でも聞きすぎなんだろう。自覚は山のようにある。
けれど、Aにどれだけ話を聞いたところで、喉が渇くような感覚が消えてくれることはない。
これが好奇心なのか、知識欲なのか、それとも他の何かなのかを自分で判断することも難しい。
そんなAはオレに言葉を返そうと口を開いたけど、こっちを見たまますぐに噤んでしまう。
「何？」と言えば「いや、ちょっと……」と言葉を濁すから、Aの目を見つめたまま「言って」と強く言えば、一つ息を吐き出してから答えた。
「ウィンウィンがいてくれるから大丈夫だよって言おうとしたけど、それはそれでちょっと重いかなぁって」
「軽いよ」
「軽くはないんだけど……まあいっか。今の私には帰る場所が出来たから、それで充分なんだと思うよ」
「……一人暮らしなのに？」
「住所の話じゃなくて……こう、精神的な話をしてるんですけど……」
「わかってる」
「本当かなぁ」
Aが胡散臭そうな顔をしてオレを見上げるから、ベッドの下に落ちていた枕を拾い上げて勢いよく投げつけた。
そうすると捲り上げた毛布の塊が襲ってきて、結局その夜はAの睡眠欲を掻き消すことになってしまった。
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せの(プロフ) - もさん» ありがとうございます〜〜！楽しんでもらえてとっても嬉しいです〜〜！わ〜い！届いた円盤にチソンくんがいるといいですね！ (2020年10月23日 21時) (
レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - せのさん〜！今回も面白かったです(≧▽≦)特に｢若きドンヒョクの悩み｣の回、マークにキュンときて好きでした〜！チソンペンなので次もめちゃくちゃ楽しみです！！ちなみに円盤はSPカードを引くどころか届いてすらいません笑せのさんの所に推しが来ますように〜！ (2020年10月20日 16時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - mroyalさん» それどころじゃないまま更新しました！ (2020年10月13日 15時) (レス) id: da4318b7f9 (このIDを非表示/違反報告)
mroyal(プロフ) - それどころじゃない、って好きすぎます。わかりみが深い… (2020年10月12日 23時) (レス) id: afd6ee0779 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ジンリさん» ありがとうございます！色々な理由で動かなそうな人だけを選んで入れました！oh my girlのnonstopを参考に書いたのでぜひ聞いてみてください(宣伝) (2020年9月1日 16時) (レス) id: bff62eaa6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年8月17日 10時
