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車に向かって手を振るヌナの隣に立つと、おじさんはようやく一瞥してくれたものの、視線はなんだか寒々しいように思う。
それでも頭を下げると、クラクションを小さく鳴らして走り去っていった。
「相当怒ってたよね、あれ」
「……何者なの？」
「叔父さんだよ。私と血が繋がってる」
「えっ？」
「悠太くんの方とは別の家系のおじさんなんだけど、一年に一度、出張とか言ってこっちに来てくれるの」
「ビジネスマンか何か？」
「いや、技術職だから本当に出張なのかどうか……」
「ええ……」
「とにかくジェミン、急いで部屋に行かないと」
ヌナがエレベーターに暗証番号を入れると、銀色の扉がゆっくりと開いた。
確かここにはうちの会社の社員がかなり入居していたはず。
Aヌナの背中を追って乗り込めば扉が閉まり、エレベーターはそのまま上昇していく。
オレ達の頭上に見える階数はやっぱり地下を示していた。
「ここ、下に駐車場あったんだね」
「そう。だから彼氏を呼びたければ、車で地下に来てもらえば良いって」
「えっ」
「おじさん、ジェミンの事そうだと思ってるよ」
ヌナがあまりにも軽く言うから言葉に詰まってしまう。
その瞬間にエレベーターのチャイム音が鳴り響いて、ヌナが中からきょろきょろと廊下を覗き、手招きしながら飛び出ていった。
そのまま一つの部屋の前で立ち止まり、手早く解錠してドアを開ける。
ここが例の、皆で何度も噂をしてきたAヌナの宿舎らしい。
ドアの前で少し躊躇していると「狭い所だけど」と手招いてくれたから、息をひそめながらようやく玄関に踏み込んだ。
「いらっしゃい、ジェミン」
「お、おじゃまします」
「悠太くんとおじさんを除けば、ジェミンが初めてのお客さんだよ」
「……そうなの？」
「うん。あっ、玄関までならマネージャーさんは入ってくるけど……それはノーカウントで良いよね」
靴を脱いで廊下を歩いたヌナを追うと、カチリと電気のスイッチを押されたリビングへ通される。
奥にはキッチンと備え付けのカウンターがあって、そことは反対側にドアが二つ並んで見えた。
多分寝室だろう。
一つはヌナのだろうけど、だとすればもう一つは……？
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せの(プロフ) - ありがとうございます！楽しんでいただけたようで嬉しいです。またお暇なときにでも読んでいただければと思います！ (2020年8月7日 9時) (
レス) id: 8c6ff02c0b (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - せのさん〜！沢山更新お疲れ様です！せのさんペンとしては突然の大量供給に飛び上がりました(≧∀≦)ジェミンとの回、私の予想では悠太くんも連れ込んで一緒にお泊りかなと思ってたので意外な展開にワクワクしました！！2人で映画みて寝落ちしたのも可愛かったです(^-^) (2020年8月3日 0時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - つきさん» ありがとうございます！気楽に書いたものをあげているだけなので、そこまで褒められると恐縮なのですがとても嬉しいです。またお暇なときにでも読みに来ていただけたらと思います！感想とても嬉しく、ありがとうございました。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 8c6ff02c0b (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - 特に授賞式の章が好きです。いつも自己投影せず第三者の気分で紅一点を眺めているのですが、メンバーと同様紅一点の人間性に内実が詰まっていて、読むたび感動します。これだけ詰まったお話を書くのはきっと大変かと存じますが、応援しております。 (2020年7月24日 10時) (レス) id: 1c49931e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年7月22日 10時
