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そう頭の中で呟いた瞬間、そう言えば前に、ここでそんな風な話をしていた事を思い出した。
Aヌナの事を試すという言い方は良くないかもしれないけど、悪い方向へ考える前に提案してみるのが良いのかもしれない。
だってそう言ったのはこの人なんだから。
「Aヌナ、一つお願いがあるんだけど叶えてくれる？それがオレへの復帰祝いでいいから」
「おっ、早速だね」
「オレ、今家からここに通ってるんだけど、明日の夕方から宿舎へ戻る事になってる」
「そっか。それでジェミン、歯磨き粉が欲しいって言ってたの？」
「うん」
「じゃあお願いってやっぱりそれ？今買いに行こうか？」
「……ううん、違う。両親にはオレから上手く話すし、この事はAヌナと違って誰に言わないって約束するから、」
ヌナが理解の追い付いていない表情で小首を傾げる。
「ヌナの宿舎に一晩だけ、オレを置いてもらえない？」
元々、今晩だけは家でも宿舎でもない、別の所で過ごそうと思っていた。
決めてはいなかったけど、別にどこだっていい。
練習室で毛布にくるまって夜を明かしても良かったし、夜はテヨンイヒョンが作業室にいると聞いたからそこに泊めてもらおうとも思った。
全部ダメならホテルでも構わない。
家に泊めてくれるような友達はいないから、そういうのは出来ないけれど。
ヌナが立ったまま動きを止めて、オレを見つめる。
まあ、普通に考えてダメだと思う。
だって逆に、Aヌナがオレ達の宿舎に泊まりたいって言ってきたとしても、丁重に断るしか選択肢がない。
万が一そんなことになったらまず先にチソンが命を落とすことになる。
「ジェミン」
「はい」
「ちょっと待ってて」
この人はどうやって断るんだろう。
そういえばオレは、この人から何かを断られた事があっただろうか。
断る理由を待っていたのに、予想に反してヌナはどこかに電話を掛け始めた。
もし会社の人に言われてたら大問題になるかな。
電話の先がユタヒョンだとしても、良い顔はしないだろう。
自分のことなのに、どこか他人事のように考えていると、短いコールの後にAヌナが話し出した言葉は日本語だ。
聞き取れない速さで会話をして、最後にはくすくすと笑いながら通話を切った。
オレに向き直ったヌナが、カラッとした笑みを作って頷く。
「ジェミン、誰にも内緒に出来る？」
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せの(プロフ) - ありがとうございます！楽しんでいただけたようで嬉しいです。またお暇なときにでも読んでいただければと思います！ (2020年8月7日 9時) (
レス) id: 8c6ff02c0b (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - せのさん〜！沢山更新お疲れ様です！せのさんペンとしては突然の大量供給に飛び上がりました(≧∀≦)ジェミンとの回、私の予想では悠太くんも連れ込んで一緒にお泊りかなと思ってたので意外な展開にワクワクしました！！2人で映画みて寝落ちしたのも可愛かったです(^-^) (2020年8月3日 0時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - つきさん» ありがとうございます！気楽に書いたものをあげているだけなので、そこまで褒められると恐縮なのですがとても嬉しいです。またお暇なときにでも読みに来ていただけたらと思います！感想とても嬉しく、ありがとうございました。 (2020年7月28日 10時) (レス) id: 8c6ff02c0b (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - 特に授賞式の章が好きです。いつも自己投影せず第三者の気分で紅一点を眺めているのですが、メンバーと同様紅一点の人間性に内実が詰まっていて、読むたび感動します。これだけ詰まったお話を書くのはきっと大変かと存じますが、応援しております。 (2020年7月24日 10時) (レス) id: 1c49931e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年7月22日 10時
