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Aヌナは動物をなだめるように「どうどう」とテンヒョンに手を向ける。
テンヒョンは不満そうに口を尖らせて「じゃあAはシャオの担当、ボクと交代ね」と、何かを空高く放って寄越してきた。
それを上手にヌナがキャッチすると、韓国語でメイク落としシートと書かれている。
ヌナが溜息交じりに封を開けて一枚取り出したところを見て、テンヒョンが楽しそうにくるくると笑い声をあげた。
「シャオジュン顔触ってもいい？こっち向いて、目を閉じて」
「あっ、はい、お、」
「お？」
「お、お願いします」
少し言葉を詰まらせながら小さく頭を下げると、Aヌナは僕を見て可哀想だと言わんばかりに眉間へ皺を寄せた。
そのまま「ポンさんと一緒になったばっかりに……」と呟くけど、当の本人は既に自分の世界へ入っているのか、皆で一緒にいた時に有無を言わさず奪い取った大きな鏡と睨めっこしている。
ブラシは眉毛用だったらしい。
この人は器用なので何も心配はいらないし、自分の顔で遊んだりはしないだろう。
僕の顔では遊んだけれど。
「大丈夫だよ、キラキラにはしないからね」
その言葉にはなんとなく確信めいたニュアンスが含まれているように感じる。
はて、僕の顔はそんなにキラキラだっただろうか。
キラキラというよりはむしろマットだったと思うけど。
Aヌナは「全部落とすね」と言葉を続け、すぐにぺたりと顔に冷たいシートを僕の顔に重ねた。
緊張していて息を詰めていたからか、今の今まで気付かなかったことがある。
人工的なメイクシートの匂い混ざって、やたらと良い匂いが漂ってくる気がするけど、これはもしかしてこの人からなんだろうか。
勿論、この場合の『良い匂い』は『美味しそうな匂い』という意味ではない。
僕が食いしん坊だからと言ってヌナを食べ物に例えるような失礼な事はしない……けれど、でも少し、ほんのちょっと、実はお腹が空いている。
「皆、普段自分でメイクしないからこういう時大変だよね」
「ボクは上手だと思う」
「じゃあなんでシャオジュン大変な事になってたの？」
「色味が見たくて〜……肌に乗せると発色が違うじゃん」
「ポンさん自分の顔か手で試しなよ」
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せの(プロフ) - よよさん» ありがとうございます！こちらこそたくさん読んでいただけてとっても嬉しいです！最後まであと少し頑張るのでよろしくお願いします〜！ (2021年3月15日 21時) (
レス) id: f4b310de98 (このIDを非表示/違反報告)
よよ - 終わっちゃうの寂しいですが、こんなに良い小説を長く書き続けてくださってありがとうございました。好きすぎて何回も読み返しています。最後まで応援しております！ (2021年3月15日 16時) (レス) id: 736e832086 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» もさんありがとうございます〜！長かったようで短か……長い小説もやっと終わりを迎えられることが出来そうでうれしいです！☆ありがとうございます！がんばりま〜す！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - ついに次で最終章なんですね(;_;)凄く大好きな作品なので長かったような短かったような...という少ししんみりした気持ちです(;_;)☆を押すことしか出来ませんがNCTの紅一点、最後の最後まで応援してます！ (2021年3月15日 14時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - mmmabcさん» ありがとうございます！完結！燃え尽きたいです！ (2021年3月15日 8時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年2月1日 10時
