顎クイされる二人目の男 ページ17
シャオジュン視点
「おっ、A！さすがはボクの妹、良い所に」
「何してるのポンさん、こんなエントランスで。シャオジュンも」
「こ、こんにちは、ヌナ！」
「何してるって見て分かんない？ヘアメイクしてるの」
「いや、分かるけど……」
ソファに座ったままのテンヒョンが、持っていたブラシをAヌナに向かってゆらゆらと左右に振った。
メイクさんに頼み込んで借りてきたメイクセットは既にぐちゃぐちゃな状態で、テンヒョンのブラシがどの部分に使うものかなんて、そんな事はもうだいぶ前からわからない。
「結婚式があるの、今から」
「今日？誰の？」
「ボクとシャオジュン」
「へえ〜、そうなんだ」
「ちがっ、違います！」
「こっちのグループのマネヒョンだよ。ほら、あの眼鏡の」
「皆眼鏡かけてない？」
「じゃあ背が高い方」
「頭の中で二択まで絞れた。ポンさん、もう一声」
「いつも可愛い服着てる」
「うーん……」
テンヒョンの適当すぎる説明でどう辿り着いたのか、Aヌナが本日の主役の名前を一発で言い当ててしまった。
すごいなぁ、これが噂のテンヒョンとAヌナの絆なのかなぁと胸の前で手を叩いていると、ヌナが僕の隣に座ってきて「ひえっ」と言いかけてしまう。
「それでシャオジュン、お兄さんに遊ばれてるみたいだけど時間は間に合いそう？」
ローテーブルに置かれた小さな手鏡を渡され、自分の顔を眺めた後、壁の高い位置に掛かった時計を見上げた。
集合時間にはまだある。
ある……けれど、この青い瞼と真っ赤な口を元に戻すのに、どれくらいの時間が必要なのかは推測できない。
「結婚式、二人だけで行くんじゃないでしょ？他のみんなは？」
「ん〜……最初はみんな一緒にやってたんだけど、遊ぶ人が出て来たからクンがバラバラに別れないとダメだって怒りだしちゃって。だからボクがシャオジュンの面倒を見ることに……」
「どうせ遊び始めたのポンさんでしょ。なに他人事みたいなこと言ってるの」
「ボクは芸術的センスを花開かせてただけなんだけど？遊んでたのはヤンヤンだし、それにウィンウィンだって！」
「わかったわかった」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1630人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せの(プロフ) - よよさん» ありがとうございます！こちらこそたくさん読んでいただけてとっても嬉しいです！最後まであと少し頑張るのでよろしくお願いします〜！ (2021年3月15日 21時) (
レス) id: f4b310de98 (このIDを非表示/違反報告)
よよ - 終わっちゃうの寂しいですが、こんなに良い小説を長く書き続けてくださってありがとうございました。好きすぎて何回も読み返しています。最後まで応援しております！ (2021年3月15日 16時) (レス) id: 736e832086 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» もさんありがとうございます〜！長かったようで短か……長い小説もやっと終わりを迎えられることが出来そうでうれしいです！☆ありがとうございます！がんばりま〜す！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - ついに次で最終章なんですね(;_;)凄く大好きな作品なので長かったような短かったような...という少ししんみりした気持ちです(;_;)☆を押すことしか出来ませんがNCTの紅一点、最後の最後まで応援してます！ (2021年3月15日 14時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - mmmabcさん» ありがとうございます！完結！燃え尽きたいです！ (2021年3月15日 8時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2021年2月1日 10時
