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「そもそもこれ自体、国の偉い人が来賓に来てるし、オレたちが会場から出るのも結構時間かかると思うよ」
「わぁ……」
ステージの階段へ上がる渋滞に巻き込まれている間に、Aが一つため息をついて、表情をステージモードに切り替えた。
こういう所はちゃんとしてて偉いと思う。
なんとかAのテンションを上げるべく、褒めるところを探してあげようと頭を悩ませていると、前にいた男の子が階段に一歩足をかけた瞬間、踏み外して体制を崩した。
さっきから前を歩いていた、あのオレ達と同じような色のスーツを着たアイドルの子だ。
すぐ後ろにいたAが咄嗟に腕を取り、足元に視線を落としながら反対の手で腰を支える。
Aとその子の衣装が重なると、まるでお揃いのように見えた。
「大丈夫？……薄暗いから見えなかったの？」
足場を確認するように目線を下ろしたまま、そう発したAに違和感を感じたのはオレも、そのアイドルの子も同時だった。
だって目が合ったし。
そしてそのまま、Aは言葉を続ける。
「まだちゃんと完治してないんだから、気を付けて、ね…………」
そう言いながら顔を上げて、自分が誰を抱いているか確認すると、Aは口を開けたまま凍ったように動かなくなってしまった。
そして、やたらと響くあの声が聞こえてきたのは、目の前でも隣でもなく、オレ達のすぐ後ろからだ。
「ヌナ、Aヌナ」
Aと同じタイミングで振り返ると、無感情な顔をしたヘチャニが、Aの支えているアイドルの子をじっと見つめていた。
その髪色も、ふわふわとした巻き毛も、Aが支えている子とはまあ……似てなくも……うん、これはさすがに擁護出来ないな。ごめん、A。
どっちにしろ不穏な気配を察知したその子が「すみませんでした」と、何故かオレの方を向いて焦ったように言うから、頷き返しながら大丈夫だという意味を込めて手を振った。
ああ、翻して行ったあの衣装だけは、やっぱりオレたちとよく似ている。
けれどそれは、ヘチャンには全く関係のないことだ。
「まさかヌナ、僕と他の誰かを間違えるわけがないですよね」
一歩、ニ歩と詰め寄る速度に、なんだかやたらと緊張感が生まれてしまう。
「後ろ詰まってる！」と聞こえたマークの声に弾かれて、ようやくAが前を向いて階段を登り始めた。
うーん……災難。
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せの(プロフ) - みなみんずさん» こちらこそありがとうございます〜！わ〜い、そう言ってもらえるととても嬉しいです〜！！オタクライフ楽しんでいきましょうね〜〜！ (2020年12月14日 14時) (
レス) id: b15808b38b (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ちゃこさん» ありがとうございます〜！本当ですか？NCTもみんな面白いのでどんどん推し増ししていきましょうね！(？)これからも頑張ります！ (2020年12月14日 14時) (レス) id: b15808b38b (このIDを非表示/違反報告)
みなみんず(プロフ) - せのさんのお話をいつも読まさせていただいてます。私も最近NCTにハマりまして、せのさんのお話にたどり着いてからすごい勢いでハマっていきました！いつも素敵なお話ありがとうございます！これからも楽しみにしております！！ (2020年12月13日 14時) (レス) id: 9876ae2084 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ(プロフ) - せのさんのお話読みたいが為にNCT勉強してきました！やっと最新話に追いつけて感無量です(T ^ T)NCTもほんとに素敵なグループで、出会わせてくれたせのさんに感謝です！！これからも楽しみにしてます！ (2020年12月10日 22時) (レス) id: f83f7a2a16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年12月10日 10時
