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「……よくみんなその話に頷いたね」
「頷けんかったやつはもう辞めた」
「な、なるほど……」
「オレはその女子一人が日本名やったら、このグループに可能性はあると思う」
「ああ……悠太くん、お願いだから、」
「嫌なら無理は言えん。何かあったときにダメージが来るのはどうしたって女の子側や」
悠太くんの真面目な顔は久しぶりに見た気がする。
練習中に見掛ける姿はもちろん真剣そのものだけど、その表情を私に向けることはほとんどない。
前に見たのは、二人でこの会社に入る事になった時だ。
私はその悠太くんに何の言葉も返すことは出来ず、悠太くんも私にそれ以上言葉を放とうとはしなかった。
少しの間、会議室に静けさが訪れる。
その静寂を破ったのは私でも悠太くんでもなく、その隣で何も言わずにじっと私達を見ていたその人だった。
『責任は、僕が取ります』
その言葉はかなり拙いものだったけど、たしかに日本語だった。
悠太くんがバッと振り向き「テヨンア〜！」と嬉しそうな声を上げ、テヨンさんの肩を押して私の目の前に立たせた。
まさかそこまでさせられると思ってなかったのだろうか、それともそういう性格なのか、おそらく両方の理由で戸惑うテヨンさんを見てため息を吐いた。
実のところ、私には決定権なんてものは最初から存在しない。
私ですら悠太くんという特大の後ろ盾があってもここまで躊躇してしまうんだから、きっと他の女の子は泣いてでも嫌がるだろう。
この人が言った通り「お互い潰れる」事を阻止するには、本当に私以外の選択肢が無いんだと思う。
そもそも断ろうものなら即退社だ。
「プロポーズみたいやな」
「プ、……！」
「さっきのって悠太くんが仕組んだわけじゃないの？」
「ちが……！」
「オレは何も言っとらんけど？」
「えっ、じゃああれ本当にプロポーズだったんですか？困りますよ、私アイドルになりたくて来てるので」
「なっ……！」
「テヨンで遊ぶのやめてくれんか？」
「悠太くんは人の事言えるの？」
顔を赤くしたテヨンさんを放って前を向く。
どうせこの偉そうな顔をしたおじさん達は、わたしが「嫌だ」と言えない事を知っているんだろう。
だってみんな張り付いたような笑顔を浮かべている。
ああ、大人ってなんて嫌な生き物なんだ。
深く息を吸って「よろしくお願いします」と頭を下げれば、その瞬間に拍手が会議室に響き渡った。
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25 - SM所属グループの話見たいです！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: f58940c23e (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ankoさん» やった〜！ありがとうございます！どこまで書けるのか解らんけど頑張ります！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
anko(プロフ) - せのさんが書くお話、どれも好きです！NCTが読めるなんて〜！これからも楽しみにしてます。 (2020年3月5日 11時) (レス) id: 23643689be (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - マさん» わあ〜！前のから見てくださってありがとうございます！これからもゆるく書いていきます〜〜！！ (2020年3月5日 11時) (レス) id: aa0d284841 (このIDを非表示/違反報告)
マ - 番外編を読んでたので、本編？が始まってて本気で嬉しいです！これからもたのしみにしてます！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: ea0b23572b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年2月17日 11時
