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Aは何かを口籠って、それを諦めたように頭を振り、オレに問いかける。
「私はこのグループにふさわしい人間かどうか、君……ジェ、ヒョン……の中で判断できた？」
「A、そんなにオレの名前を呼ぶのが難しい？」
「簡単じゃないよ」
「そっか」
「うん」
「あのさ……一つ付け加えても良い？」
「えっ？何を？」
「観察した結果。まあ、観察なんて最初からしてないけど」
「ああ、はい。どうぞ」
「ユタヒョンとさほど似てない事以外に一つ付け加えるなら、意外と卑屈なんだなって」
「ひ、卑屈？」
「だってそうじゃないと、自分がグループに相応しいかどうかなんて、他人に聞いたりしないだろ」
Aがじっとオレを見る。
この人がユタヒョンに似ているとすれば、瞳から垣間見える意志の強そうなところだろう。
「……君はそういう事、考えたことないみたいだね」
「うん。ないかな」
「どうして？」
「……どうしてって、オレ達は選ばれたからだよ。総合的に見て、それが一番良い選択だったんでしょ」
「自信家なんだね」
「正直、Aはそういう自意識が強い方だと思ってた」
「私が？」
「うん。練習中はいつも飄々としてる。自分に実力があることを理解してるし、だからここにいるわけで」
「……それって褒めてる？」
「まあ、多少は」
Aが「そっか」と言葉を零して、ようやく自分からケーキに手を着けた。
マグを持ちながら食べている所を眺めていると「まだ観察中なの？」と冗談交じりの笑みで返されてしまう。
「ごめん」
「えっ、何が？」
「観察中だってずっと思わせてたんだとしたら、きっと辛かっただろうなって」
「……君さぁ、」
「ジェヒョン」
「……ジェヒョン、意外とぼんやりした性格してるんだね」
「ん？」
「私達、話さなかったけど目だけはよく合ってたでしょ？」
「うん」
「私も見てたよ、ジェヒョンの事。もっとシビアで冷たい人かと思ってたから、練習中に間違えると君に見つかってないか心配で心配で……」
「ああ、だからよくダンス練習の途中に……」
「うん。でも、思ってたのとは全然違った。やっぱり話してみないとわからないね」
そう言ってAが楽しそうに笑う。
それは外側からよく見かける笑顔と同じように見える。
だとすれば、ようやくスタートラインに立てたんだろう。
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25 - SM所属グループの話見たいです！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: f58940c23e (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ankoさん» やった〜！ありがとうございます！どこまで書けるのか解らんけど頑張ります！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
anko(プロフ) - せのさんが書くお話、どれも好きです！NCTが読めるなんて〜！これからも楽しみにしてます。 (2020年3月5日 11時) (レス) id: 23643689be (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - マさん» わあ〜！前のから見てくださってありがとうございます！これからもゆるく書いていきます〜〜！！ (2020年3月5日 11時) (レス) id: aa0d284841 (このIDを非表示/違反報告)
マ - 番外編を読んでたので、本編？が始まってて本気で嬉しいです！これからもたのしみにしてます！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: ea0b23572b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年2月17日 11時
