Winwin ページ40
ウィンウィン視点
初めてこの国のこの会社に来て、色々な人との挨拶を終わらせた三日間。
国際的な手続きからこれからのご飯についてまで、本当にたくさんの説明をされて頭がパンクしそうだった。
いや、したんだと思う。パンク。
これから長い時間を過ごす事になるだろう宿舎では、皆から「テン」と呼ばれている一つ上の人と同じ部屋になったけれど、自分が思っていたより言葉の壁は高かったらしい。
身体の動きや簡単な英単語で話そうとはするけどうまく通じ合うことも出来なくて、三日たっても相変わらず困難を極めている。
文字だって読めないし、お金の使い方もまだ不確かで、マナーも違えば社会の構造だって違う。
とりあえず言葉を早く覚えないと。
ベッドの上に飛び乗って、ぐしゃぐしゃに書かれてあるメモ帳をパラパラと捲る。
人が居すぎて全然覚えてられないけど、中国語で話してくれた会社の人は「同じ年の子」を覚えておけばなんとかなると言っていた。
本当だろうか。
その「同い年」の中でも、同じグループに配属される人間が二人いる。
ジェヒョンと言う白い肌をした人と、Aと言う少し声が高めの人。
二人とは宿舎が違うようで、三日前に挨拶したきり顔を見ていない。
どちらもアイドルを体現したような顔をしていたのは覚えているけど、もうそろそろどんな顔をしていたか忘れてしまいそうだ。
自分がうまく進めば同じグループになると言っていたけど、本当にうまく進むのかはまだ分からない。
今日からのレッスンをこなして行けばなんとかなると言うし、こなしていける自信もある。
けれどとにかく、言葉が問題だ。
自分の他にも中国から来ている人はいるにはいるけど、同じ時期に来たんだから誰もスタートは一緒で、みんな上手く話せるわけでもない。
もう少しでどちらの言葉も話せる年下の子が来てくれるらしいけど、一刻も早くやって来てくれることを願っている。
二階建てベッドの中で、あまりにも近い天井を見つめていると、部屋のドアが開いてオレの名前を呼ぶ声が聞こえた。
テンヒョン……ヒョンと言うのがまだ慣れないけど、テンヒョンが顔を出して、英語で話しかけてくる。
耳に届いた二つの単語が「レッスン」と「ゴー」だと気付いて、ベッドから飛びあがった。
今日からやっと始まるけど、どこから何を始めるのか。
それにしても、グループに一人入るという日本人の女の子とは、いつになったら会えるんだろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
25 - SM所属グループの話見たいです！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: f58940c23e (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ankoさん» やった〜！ありがとうございます！どこまで書けるのか解らんけど頑張ります！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
anko(プロフ) - せのさんが書くお話、どれも好きです！NCTが読めるなんて〜！これからも楽しみにしてます。 (2020年3月5日 11時) (レス) id: 23643689be (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - マさん» わあ〜！前のから見てくださってありがとうございます！これからもゆるく書いていきます〜〜！！ (2020年3月5日 11時) (レス) id: aa0d284841 (このIDを非表示/違反報告)
マ - 番外編を読んでたので、本編？が始まってて本気で嬉しいです！これからもたのしみにしてます！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: ea0b23572b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2020年2月17日 11時
