Mark ページ34
マーク視点
かれこれもう三日ほど、Aに腹を立てている。
三日前のその日、ダンス練習室の扉を開けた先にいる人間が、オレには一瞬誰だか解らなかったからだ。
後ろ姿だったその人の目の前にはユタヒョンがいた。
ユタヒョンが気楽そうな顔をしている所を見ると、テヨンイヒョンだろうか。
いやいや、あの人はここまで背が低くない。
ここの中で背が低い……と言えばテイルヒョンだけど、ヒョンとはさっき廊下ですれ違ったばっかりだ。
じゃあドリームの誰か？
絶対にヘチャンでは無いし、成長期真っ只中のチソンの背中でも無い。
ジェノとは立ち方が違うし、ジェミンとは頭の形が異なるように見える。
じゃあ、一体誰なんだ。
トレーナーさんか、それとも新しく入ってきた先生だろうか。
そんな事を考えていたほんの三秒後、ユタヒョンと話していたその人がくるりと身体を回して、オレに手を上げた。
さらさらとした髪が横に流れていく。
「マーク」
オレの名前を呼んだのは、どこからどう見てもAだった。
顔も、身長も、身体の細さも、肩も、声も、トーンも、表情も、上げた手の指の先も、ユタヒョンが見守るような顔をしている事だって、他の誰でも無いA本人だ。
それになのに、黒くて長かった髪の毛が、ばっさりとAから消えてしまっていた。
オレ達からすればほんの少しだけ長いように見えるその髪型は、女の人から言えばとても短い部類に入るんだろう。
そこでようやく自分が何の反応も出来ない事に気付いて、咄嗟に右手を上げ、練習室の隅っこに荷物を置きに行った。
壁掛けの時計を見れば、あと30分もすれば練習が始める。
荷物と一緒に座り込んだまま、どうしてだろうかAに声を掛ける気にはなれなかった。
よく解らない気持ちを持て余したままストレッチを始め、Aの丸くなった頭を見ながら考える。
『ああも短いと頭の形が違って見えるな』だとか、『きっと長さに慣れるのは時間がかかるだろうな』だとか、『ここまで短いのは初めてなんだろうか』だとか。
そんな事を思いながら、どうして自分はその事を直接A本人に聞こうとひないんだろうかと考えた。
練習室に入ってきたドヨンイヒョンがひどく驚いているのを眺め、なんだか胸がグラグラと揺れ始める。
それから少し経て『ああ、きっと自分はAに対して怒っているんだろう』と、そういう結論に至った。
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25 - SM所属グループの話見たいです！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: f58940c23e (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ankoさん» やった〜！ありがとうございます！どこまで書けるのか解らんけど頑張ります！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
anko(プロフ) - せのさんが書くお話、どれも好きです！NCTが読めるなんて〜！これからも楽しみにしてます。 (2020年3月5日 11時) (レス) id: 23643689be (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - マさん» わあ〜！前のから見てくださってありがとうございます！これからもゆるく書いていきます〜〜！！ (2020年3月5日 11時) (レス) id: aa0d284841 (このIDを非表示/違反報告)
マ - 番外編を読んでたので、本編？が始まってて本気で嬉しいです！これからもたのしみにしてます！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: ea0b23572b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2020年2月17日 11時
