６ ページ32
.
少しだけ不貞腐れながらヌナに問いかける。
「じゃあヌナは？」
「え？」
「ヌナは僕たちの誰かを好きにならないの？」
「ジェノを？」
「ぼ、僕は……ちょっと違うかもしれないけど、ほら、ヒョン達とか！」
「ああ、ドヨンさんとかって事？」
「どうしてドヨンイヒョンが？……もしかして……」
「違う違う。最近ドヨンさんがジェノを可愛がってるのよく見てたから」
「……怪しいよ、ヌナ」
「全然怪しくありません。最近解り始めたんだけど、一緒にいるからってそう簡単に誰かを好きになったりしないみたい」
「じゃあ僕の事もそうだって分かるでしょ？みんな一緒にいるけど、ただの友達」
「怪しい……」
「もう！」
もう一度肩を叩いてみると、ヌナが「ごめんごめん」と、やっぱり悪気の無さそうな顔で笑う。
ヒョン達は良い人ばかりだ。
ヌナが言ったようにドヨンイヒョンは優しいし、他のヒョン達も癖はあるけど面白くて優しかったりする。
マクヒョンは……うーん、マクヒョンはマクヒョンかもしれない。
「ジェノが恋をしたら私に教えてね」
「どうして？」
「なんとなく。ジェノがどんな人を好きになるのか気になるから」
「じゃあヌナも僕に教えてね」
「私？私は恋をしないだろうし、きっと教えてあげられないなぁ」
「なんでしないの？」
ところどころ雲の浮かんでいる空を見上げながら、Aヌナが「うーん」と腕を組みながら小さく唸った。
恋をしないで生きていくなんて有りえるのかな。
テレビに出てる人達だって、ゲームの中の主人公だって、映画で登場する悪役だって。
思えば、皆だれかに恋をしている。
僕達だってきっとこれから、恋の歌をたくさん歌う事になるはずだ。
「私の過去とか未来とか、今まで犠牲にしてきたもの全部を捨ててまで、恋を選ぶことは出来ないと思うから」
「甘いよ、ヌナ。恋って言うのは落ちるもので、選ぶものじゃないんだから」
「……ジェノ、ドラマのセリフみたいだね」
「昔観た映画で、主役の人がそう言ってたような気が……」
ヌナが笑うと、そよ風が僕達の間を駆け抜けて行った。
短くなった髪が揺れるのを見ると、やっぱりなんだかもったいなく思う。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
25 - SM所属グループの話見たいです！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: f58940c23e (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ankoさん» やった〜！ありがとうございます！どこまで書けるのか解らんけど頑張ります！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
anko(プロフ) - せのさんが書くお話、どれも好きです！NCTが読めるなんて〜！これからも楽しみにしてます。 (2020年3月5日 11時) (レス) id: 23643689be (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - マさん» わあ〜！前のから見てくださってありがとうございます！これからもゆるく書いていきます〜〜！！ (2020年3月5日 11時) (レス) id: aa0d284841 (このIDを非表示/違反報告)
マ - 番外編を読んでたので、本編？が始まってて本気で嬉しいです！これからもたのしみにしてます！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: ea0b23572b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2020年2月17日 11時
